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「未来なんてやっぱ誰もわかんないな」 羽生結弦、今を生きて辿り着いた事実と忘れない感謝

THE ANSWER / 2025年2月10日 11時55分

「Echoes of Life」千秋楽で演技する羽生結弦さん【写真:(C)Echoes of Life Official】

■「ICE STORY 3rd -Echoes of Life- TOUR」が千秋楽

 フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌と五輪連覇を達成しているプロスケーター・羽生結弦さんが出演・制作総指揮するアイスストーリー第3弾「ICE STORY 3rd -Echoes of Life- TOUR」が9日、千葉・ららアリーナ東京ベイで千秋楽を迎えた。チケット完売、観客8300人の前でアンコール含め15曲を滑り切り、目に涙を浮かべるなど万感の想いがあふれた。

 埼玉、広島を含めた全7公演を完走。「命」「生きる」をテーマに作り上げた壮大なショーでスタンディングオベーションを浴びた。公演後の囲み取材。次回の構想について問われると「ないです。ゼロです(笑)」と即答した。本人も認める放心状態。期間中、全力で駆け抜けた証拠だった。

 途中休憩を挟むとはいえ、たった一人で2時間半滑り切る。無音の中、4回転トウループを跳ぶなど重圧のかかる場面がいくつもあった。体力的にも精神的にもタフな公演。それを跳ねのけて期待に応えるリンク上の姿は、普段の羽生さんより心なしか大きく見えた。

 金メダルを獲得した平昌五輪のショートプログラム「バラード第1番」もノーミスの演技。「もう、これ以上ないなって言う出来で締めることもできた」。ツアーが終わったことに寂しさを感じながらも、充実感を漂わせた。

 作品の中には「過去」「今」「未来」に関する問いも出てくる。ツアーを通じて感じたことの一つは「未来なんてやっぱ誰もわかんないな」との事実だと明かす。

「北京オリンピックもそうでしたけれど、どんなに努力してもやっぱ『報われないな』って思うこともあるし、どんなに一日一善をして、どんなにいいことを繰り返していたとしても、不幸なことが起こってしまうのが未来」


万感の千秋楽、リンク上で笑顔を見せる羽生さん【写真:(C)Echoes of Life Official】

■未来へ「簡単に『こんな生き様』とは言えないんですけど…」

 北京五輪では故障を抱えながら4回転アクセルに挑戦。惜しくも着氷はならなかった。誰よりもスケートに情熱を注いでも、望んでいた未来が待っているわけではないと知っている。

 だからと言って未来は捨てない。「今」を懸命に生きる以外、より良い未来への道はないことも分かっている。「簡単に『こんな生き様』とは言えないんですけど、とりあえず生きている今を、自分の心と自分の正義を信じて、まっすぐ進んでいきたいなっていう気持ちはあります」。ゆっくり言葉を紡ぐ。言い終えた視線は、言葉通りまっすぐだった。

 12月7日、30歳の誕生日に行われた埼玉公演初日の取材対応でも「今という中で最善を尽くしていくこと」について触れていた。万感の千秋楽。リンク上で「ちょっとでも今という瞬間を生きているんだと感じてほしい。みんな思っているよりも強く生きてるんだよと、祈りとともに、言葉とスケートでしたためたストーリーです」と思いを届けた。

 丁寧に深々と一礼。スタッフ、観客への感謝も忘れない。囲み取材を終えて、報道陣にも同じように頭を下げ「ありがとうございます」の言葉を繰り返した。「唯一無二のもの」と表現するアイスストーリーを終え、また新たな「今」を歩む。(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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