井上尚弥、PFP4位選出のリング誌 白熱議論の舞台裏は?「もっと上位であるべきだが…」

THE ANSWER / 2019年5月25日 7時13分

259秒KOでIBF王者エマヌエル・ロドリゲスを下した井上尚弥【写真:Getty Images】

■リング誌はどうPFPのランキングを作成しているのか

 ボクシングのWBA&IBFの2団体王者・井上尚弥(大橋)はワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝に駒を進めた。米専門誌「リング」選定のパウンド・フォー・パウンド(PFP)最新版でキャリア最高となる4位まで駆け上がった。世界3傑、そして、最強と認められるために必要なものとは――。リング誌では評価の内幕を明らかにしている。

「リング格付け更新 リングはナオヤ・イノウエを8人目の王者として王位を授ける」

 このタイトルの特集では公開されたばかりの最新のPFPにおいて、「評議会と編集部の委員会ではこの偉大なランキングでイノウエはどこまで上昇すべきか議論した」と選考過程の中での議論について伝えている。

 そこでは様々な意見が存在したようだ。井上は前回7位で今回キャリア最高の4位となったが、評議会のアンソン・ウェインライト氏は「イノウエは5位。パワーはまさに本物。最高の勝ち方だ。5位ではあまりに低すぎるように思えるが、他の選手たちもトップファイターなんだ」と語り、5傑止まりという意見もあったという。

「彼はもっと上位であるべきだと思う。しかし、ロマチェンコ、クロフォード、カネロ、ウシクも際立った履歴書の持ち主。イノウエの代わりに彼らを降格させるのは酷い仕打ちに思えた」

 他のPFPファイターも歴戦の名手。錚々たる実績を積み上げており、トップ4から降格させることはできなかったと、ウェインライト氏は説明を加えている。

 一方、アダム・アブラモヴィッツ評議委員はモンスター最強に1票投じた。

「私はイノウエをパウンド・フォー・パウンドのNo.1に置いた。評議委員が同意するとは思わないが、彼の成績と現在の好調ぶり、トップの競争者を叩きのめす戦いぶりは、比類なきほど素晴らしい」

■さらに上に入るためには対戦相手の実績も必要に

 アブラモヴィッツ氏は井上を推す理由をこう力説。「彼は2階級でNo.1ファイターをノックアウトしている。そして、優秀なタイトルホルダーを破壊したばかりだ」と説明し、ジェイミー・マクドネル(英国)、フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)、ロドリゲスという難敵をあっという間にマットに沈めた強さを強調している。

 PFP上位に名を連ねるのは世界屈指のスーパースター揃い。トップ3へ、入るために井上が必要なものは何か。リング誌編集担当のトム・グレイ氏は「確かに、パフォーマンスのレベルを基準に、私はイノウエの1位について検討した。誰もあんな風に相手を打ち負かすことはできない。ロドリゲスは本当に優秀な名手なんだ」と語っている。

 一方で「ロマとクロフォードは対戦相手において彼(井上)を凌いでいる。カネロはパッキャオを除いてボクシング界最高の履歴書を持っている。彼が前回GGGを倒した時には、彼の動きは際立っていた。自分はモンスターを4位にしたんだ」ともしている。

 キャリア18戦全勝の井上。スーパーフライ級では他団体王者もタレント揃いとされながらも対戦を敬遠され、悲願の統一戦が実現しない経緯もあった。

 ロマチェンコ、クロフォード、カネロと井上の差は“履歴書”。つまり対戦相手の実績だとグレイ氏は示している。WBSS決勝では5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)と戦う。“フィリピンの閃光”を倒した上で、WBSS王者というタイトルを手にした際、モンスターの履歴書には輝ける1ページが加わることになる。

 世界3傑、そして世界一へ。アジアが誇る先輩レジェンドを破った先には、前人未到の領域が待っているということだ。(THE ANSWER編集部)

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