乱立して悩み増大 会費以外で「自分に合うジム」の見分け方、重視すべき点は?

THE ANSWER / 2019年10月21日 18時5分

会費以外で「自分に合うジム」の見分け方は?

■連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』29限目」

「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。29限目のお題は「自分に合うジムの見分け方」について。

 ◇ ◇ ◇

 Q.ジムに入会したいのですが、近所に乱立していてどこにするか悩みます。会費以外で、自分に合うジムを見分けるポイントを教えてください!

 目指している体に到達するために、どうボディメイクを進めていけばいいのか? そのための方法と手段が明確にある人は、使いたい器具やマシンがあるかないかが一つの基準になります。でも、自分ではどうボディメイクしていけばいいのか分からない、プランがたてられない人は、何等かの形でジムのトレーナーに相談することになります。

 ですから、最も重要視するべきは、トレーナーの質です。

 そもそも、トレーナーの質が良ければ、器具の種類が限られていても問題ありません。なぜなら、質の高いトレーナーは、バーベルとダンベルしかなくても、よいトレーニングを指導できるからです。これから体を作り直そう、本格的にジムに通ってみようというトレーニング初心者の方は、トレーナーの質を見極めるのが先決。器具やマシンの種類や質にこだわるのは、トレーニングに慣れて、もっと体の細部にこだわり、作り込みたくなってからでいいと思います。

 では、トレーナーの質はどう見分ければよいのか? 

 外装的な面でいうと、様々な大会での実績と資格を見るのが一つ。しかし、実績があっても、もともとイイ体だった人は、ボディメイクの技術の引き出しの数が少ない可能性があります。次にどんな資格を持っているかを見るもの一つ。しかし、専門知識をしっかり学んでいるという上で安全性は高いのですが、個々の体に合わせたトレーニングが指導できるかどうかの能力はまた別の話になります。

 以上のことから、見た目や資格だけでは、質の良し悪しは判断しづらい。なかなか、難しいテーマです。

 とはいえ、入会を決心した方にとって、難しいで済ますことができない非常に大事なことですよね。そこでおすすめしたいのは
、見学だけでなく、体験会に参加すること。そしてトレーナーにボディメイクの希望を具体的に一つ伝え、直接指導を受けてみましょう。

■チェックポイントは「トレーナーがどんな質問を投げてくるか?」

 わかりやすい質問を例にお話をしましょう。「お尻はアップしたいけれど、太ももは太くしたくない。どんな筋トレをすればいいですか?」と質問したとします。この場合、トレーナーはお尻への刺激が強く、しかしながら太ももにはできるだけ刺激が少ない種目を提案します(お尻に刺激が入るトレーニングは、すべからく太ももにも刺激が入ります)。「スクワット」「ブルガリアンスクワット」「ランジ」といった種目です。

 そして、トレーナーの指導のもと、1セットトライした後に、チェックポイント。「トレーナーがどんな質問を投げてくるか?」を見ます。

 皆さんはどちらのトレーナーがよいと思いますか? 考えてみましょう。

トレーナーA氏「いかがですか? どんな感じがしますか?」
トレーナーB氏「どうですか? ちゃんとお尻に刺激が入っていますよね?」

 私がおすすめするトレーナーは……「A氏」です。

 まず、なぜB氏はダメなのかを説明します。「具体的に聞いてくれていいじゃないか」という方も多いと思いますが、これは誘導質問にあたります。大抵の人は「あまりお尻に(刺激が)入っていない気がするな」「むしろ太ももに効いている感じがするな」と感じていたとしても、「お尻に入っていますよね?」という聞き方をされた途端、入っているような気がしてきたり、「入っていないのは自分の動き方が悪いためでトレーナーさんに申し訳ない」と考えたりして、「入りました」と答える傾向にあります。

 そして、トレーナー側は「提案した種目が狙ったパーツに効いてほしい」という思いが誘導するような質問に現れてしまう。これは、経験や知識、対応力の不足からの不安や、「自分はこれで効果があったのだから間違いない」という思い込みなどが影響した結果です。

 一方、A氏のような質問の仕方であれば、「ちょっと太ももに刺激がきている気がします……」など、何の先入観もなく、受け手が感じたままを言葉にして伝えることができます。

 また、「お尻より太もものほうの疲労を強く感じたら、遠慮なく言ってくださいね」という方も、とてもいいと思います。初心者のなかには、体で感じていることを表現するのが難しい人もいます。そこで、「お尻」「太もも」と刺激の入りやすい2部位をあげることで、初心者も感じていることを的確に伝えやすくなります。

■体験する側も「感じたことは正直に伝えること」が大事

 体験する側も、感じたことは正直に伝えましょう。ここで「効いてないと言ったら悪いかな」などと相手に気を使っても、結果的に、誰のためにもなりません。

 技術と心のあるトレーナーならば、「効かない」と伝えれば、フォームを変える、種目を変えるなど、新たな指導や提案をしてくれます。しかし、2セット目もハマらない場合もありますが、人によって1日ではハマる種目が見つからないことはよくあること。それよりも大事なのは、寄り添ってくれるかどうかです。親身になってくれるトレーナーがいれば、近いうちに、あなたに合うトレーニングを見つけてくれます。

 それから、大きなジムになると、アルバイトのトレーナーもいるので、なかにはあなたの質問に答えられない人もいると思います。そこで「私では応えかねるので、ちょっと上司に聞いてきますね」と言えるジムもいいと思います。体験する側は、1分1秒を争って、今すぐ効かしたいわけではないですからね! そのぐらい許容しているジムは雰囲気もよいし、誠実だと思います。

 女性を例にしてお話ししましたが、男性であれば、胸と腕に効くベンチプレスや僧帽筋と三頭筋に効くサイドレイズなど、2カ所に効く種目で、より狙い通りの筋肉に疲労を得られるかどうかを見てもらうといいと思います。

 狙ったパーツに入ったか入らなかったかに、きちんと向き合ってくれる。これには、大会実績も資格も関係ありません。心です。そんなお客様ファーストのトレーナーがいるジムを見つけてください。(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

長島 恭子
編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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