東芝、もし上場廃止になったらどんな影響があるの?

THE PAGE / 2017年3月21日 15時0分

写真

(写真:つのだよしお/アフロ)

 米国の原子力事業で多額の損失を抱える東芝が上場廃止の瀬戸際に立たされています。上場が廃止されるとすべてが終わってしまうかのような雰囲気ですが、上場廃止は何を意味しているのでしょうか。また上場廃止になると具体的にどのような弊害があるのでしょうか。

特設注意市場銘柄ってどんなもの?

 東芝は、株式を上場している東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指定されています。これは、証券取引所が内部管理体制の改善が必要と判断した企業に対して実施するもので、東芝が指定されるきっかけとなったのは2015年に表面化した不正会計問題でした。

 特設注意市場銘柄であっても、通常通り、株式を売買することが可能ですが、内部管理体制の改善状況などについて詳しく記載した内部管理体制確認書の提出が義務付けられています。東芝は昨年9月に確認書を提出しましたが、改善状況が不十分であるとして再提出が求められていました。同社は3月15日に確認書を再提出していますが、これから審査が行われる状況です。ここで改善が十分ではないと判断された場合には東芝は上場廃止となってしまいます。

 東芝は2016年4~12月期決算の発表を再度、延期しましたが、有価証券報告書が作成できない場合も上場基準に抵触することになります。東証はこうした事態を受け15日付けで東芝を上場廃止の恐れがある「監理銘柄」に指定しました。

上場廃止になるとどうなる?

 もし東芝が上場廃止になると、東芝の株を保有している株主は自由に株式を売買することができなくなります。また市場で株式が流通しませんから、増資などによる資金調達もやりにくくなることが予想されます。株式を上場していることと、その会社が一流であることとは本来はまったく関係ありませんが、日本の場合には、株式を上場することと、一流企業であることが同一視される傾向が顕著です。東芝が上場廃止になってしまうと、同社に対する社会的信用が低下するという影響も考えられます。

 企業の上場とは一般に、誰でも自由に会社を売買できるようにすることを目的として行われます。したがって、会社を不特定多数の人に売却する必要がなければ、わざわざ上場させる必要はありません。実際、米国などでは株式会社以外の形態も多く、上場しない大企業も珍しくありません。

 日本では会社は従業員のものという意識が強く、会社の売買に対してかなりのアレルギーが存在するにもかかわらず、なぜかほとんどの会社が売買を目的とした株式会社の形態を採用し、しかも上場するのが当然視されるという少々矛盾した社会です。このような環境において上場が廃止されるインパクトは大きく、そのため東芝や東証は何とかして同社の上場廃止を回避しようとしているようです。

(The Capital Tribune Japan)

THE PAGE

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング