強風強行の女子スノボに批判殺到「札束とテレビが選手を危険に晒した」

THE PAGE / 2018年2月13日 6時29分

写真

メダルが期待されていた鬼塚雅も風に苦しみ19位に沈んだ(写真・ロイター/アフロ)

平昌五輪のスノーボードの女子スロープスタイルの決勝が、激しい風が吹く最悪の状況で行われ、転倒者が続出した問題について、世界中から、その運営について批判の声が相次いでいる。

 メダルが期待された日本勢も危険な風の悪影響を受けて藤森由香が9位、広野あさみが12位、岩渕麗楽が14位、注目の鬼塚雅も尻餅をつき19位と散々な結果に終わった。

 ヤフースポーツの米国版は「五輪のモラルへの嫌悪。どうやって札束とテレビがスノーボード女子選手を危険にさらしたのか」という批判記事を掲載した。
 
 コラムを執筆したジェフ・パッサン記者は、「むちを打つような風が選手に襲い掛かった。ジャンプをする前に選手たちは骨折はしないか、じん帯を切らないかと不安におののいた。50回あった滑走のうち、41回でつまずきと転倒があった。幸運だったのは、大きなけが人が出なかったことだ」と危険だった競技の様子を伝えた上で、「五輪期間は25日まであるのだ。女子のスロープスタイルの競技は月曜に行われるべきでなかった」と突風が吹き荒れる中、約1時間遅れで決勝を強行した大会運営を批判した。

 オランダのシェリル・マースは「これはただのショーだ」と訴え、多くの選手が大会主催者に競技前に懸念を伝えたが、無視されたという。

 4位に終わったノルウェーのシリエ・ノレンダルは、「彼ら(FIS)はショーを見せたがっている。大きな怪我が起きるかもしれなかった。アンフェアな競技だった。まだ五輪競技となったばかりのスポーツだが、我々、選手全員が感じたことは、ただただ残念だった」とコメントした。

 日曜日の予選が強風で中止となった際、競技関係者は、ノレンダルに「もし怖ければ、選手たちを滑らせることはしない」と説明していたらしいが、「FISは各コーチと相談の上で競技再開を決定した」という。

 パッサン記者は「全くの驚きだ。五輪中継に何十億ドルを支払うテレビネットワークのため、選手たちに犠牲を払うように説得したのだ。想像してほしい。この競技は50フィート(約15メートル)の高さに飛び出して体をねじり、ジャンプで沸かせ、きれいに着地するものだ。彼女たちの命は、運営側との信頼に基づいている。だが彼女たちが信頼を置く人々はそれを売り払ったのだ」と強烈に批判。

「テレビが(競技の強行を)必要としたのだ。大回転が延期となり(テレビ局)NBCのプライム枠に穴があいた。うまくいったとは言えないまでもスロープスタイルでその枠を埋めた」と、強行された裏事情を暴いた上でこう訴えた。
「五輪の真の目的を忘れないでほしい。だが、今の五輪は札束を生み出し、運営者に富をもたらすために存在している。モラルと衝突しても月曜日の午後のように、勝つ方はいつも決まっている」

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
THE PAGE

トピックスRSS

ランキング