「こうのとり」のH2Bロケット打ち上げ延期 直前にバルブの異常見つかる

THE PAGE / 2018年9月15日 9時25分

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[画像]9月14日、発射場に移された「こうのとり」7号機を搭載したH2Bロケット。打ち上げ4時間前にバルブに異常が見つかり打ち上げは延期された(c)三菱重工/JAXA

 三菱重工と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日早朝、鹿児島県の種子島宇宙センターで同日午前5時59分に予定されていた無人補給機「こうのとり」7号機を搭載したH2Bロケット7号機の打ち上げを延期すると発表した。「ロケットの推進系統に確認を必要とする事象が生じた」ためで、具体的には第2段の液体酸素タンクのバルブに異常が見つかった。新たな打ち上げ日は最低でも1週間以上後になる見通しだという。

三菱重工「こういった事象は初めて」

 打ち上げ執行責任者である三菱重工の執行役員フェロー、二村幸基(にむら・こうき)氏は午前6時から開いた記者会見で、フライトに向けた機能点検の一つである第2段の液体酸素ベントリリーフのバルブ作動試験で、バルブの作動圧力が規定より低かったことを明らかにした。打ち上げ約4時間前の午前2時頃に発覚した。

 規定圧力は約0.33MPaA(メガパスカル)なのに対し、作動圧力は約0.25MPaAで「必要な圧力が保持できない状態」(二村氏)。このままの状態でフライトさせても、「正常な値で燃料・酸化剤がエンジンに供給できないために正常な燃焼ができないことが発生し得る。ミッションを達成できる可能性がない」と判断し、打ち上げを中止した。

 現時点では原因は特定できておらず、二村氏は「正直いってこういった事象は初めて。調べてみないと分からない。かなり重大な課題を持ったかなと思っている」と述べた。今後の打ち上げの見通しについても「現時点ではなんとも申し上げられない。1周間以内の打ち上げはかなり難しいという感触」と慎重に語った。

 ただ「打ち上げてしまってからの失敗はあってはいけない」との見方を示し、輸送サービス事業としては「最悪の事態は避けられた」と述べた。

 昨年8月にはH2Aロケット35号機の推進系統に不具合が見つかり、打ち上げが延期された事例があるが、封止プラグの部分の小さなごみによるヘリウム漏れが原因で、「今回のバルブ作動の異常とは異なる」という。

 10月29日にはH2Aロケットの打ち上げが予定されている。問題のバルブはH2AとH2Bで共通で使っているため、「原因によっては何らかの処置が必要になるかもしれない」としたが、「並行作業は可能。基本的には予定通り打ち上げられる」と語った。

 こうのとりは、国際宇宙ステーション(ISS)での実験運用や生活に必要な物資を輸送する役割を担う補給機。JAXAによると、ISSには数か月分は物資に余裕があるといい、当面は打ち上げ延期の影響はないという。

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