ノーベル賞科学者は語る「好奇心こそ研究に一番大事」

ザテレビジョン / 2016年1月16日 10時0分

ノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇氏(写真右)と、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏(写真左)の公開対談が名古屋で行われた

'14年に青色発光ダイオード(LED)開発でノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇氏(名城大学終身教授/名古屋大学特別教授・名誉教授)と、'12年にiPS細胞の発見でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所所長)の公開対談が、1月9日に名古屋で行われた。

同対談は、JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)20周年記念事業のひとつとして、「若い世代へ ノーベル賞科学者からの提言~科学技術で次の時代を切り開け~」をテーマに開催。赤崎氏と山中氏の2人での対談はこれが初という貴重な機会となった。

研究者を志したきっかけについて、赤崎氏は「1949年に京都大学に入学したときに、湯川秀樹さんがノーベル物理学賞を受賞しました。当時はまだ戦争後の焼け跡が残っていましたし、復興間もない暗い世相の中で、ノーベル賞という言葉すら忘れかけていた時期に、すごく感じることがありました。ほんの小さなことでもいいから、今まで誰もやっていなかったこと、できなかったことをやってみたいと強く思ったのを覚えています」と語った。

一方、山中氏は学生時代に柔道、ラグビーをしていたことで、けがをして何度も医者にかかった経験から自身も外科医になったものの、すべてを治せない無力感を感じることもあり、研究の道に進もうと大学院に入り直した。

その大学院で「最初の実験で、血圧を上げるはずと思っていた薬で逆に血圧が下がった。その時に興奮したんです。予想が外れたことに対しての自分の反応が意外でしたが、このときの経験がなければ、今こうなっていたかは分からない」と振り返った。

両氏は世代も研究分野も違うが、赤崎氏は大学卒業後に企業に勤め、山中氏は臨床医となり、大学時代から研究をずっと続けていたわけではないところが共通点のひとつ。共にその経験を通して「考えてばかりいないで手を動かしてみる」という同じ思いを持っていた。その信念を胸に、誰もやろうとしなかったこと、できないと考えていたことに取り組み、見事にノーベル賞受賞へとつながったのだ。

約700人の聴講者が集まったこの対談では質疑の時間も設けられた。小学生からの「絶対諦めないで続けられた、先生の好きな言葉は?」との問いに、赤崎氏は「Experience is the best teacher.(経験は最高の師)」と回答。「何かをやろうとしたときには失敗もある。だがその失敗を、『どうして?』と振り返ると、それは自分の糧になる」と話した。

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