4人の妻と17人の子ども「ブラウン一家」 アメリカ版ビッグ・ダディから見るポリガミーと宗教

TOCANA / 2014年1月20日 14時0分

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 アメリカでは、昨年12月の半ばにユタ州の連邦裁判所で下された「一夫多妻制の合法性」をめぐる判決が話題を呼んでいるようだ。この裁判の原告はコーディー・ブラウン一家。彼は現在4人の妻と17人の子どもたちと一緒に一夫多妻生活を営んでおり、その生活模様はリアリティTV番組「Sister Wives」で放映されている(アメリカ版『ビッグ・ダディ』といったところだろうか。2010年から続く結構な人気番組)。


動画は、">You Tubeより
 元々はユタ州に住んでいたブラウン一家だが、同州にある「未婚男女の同棲禁止」の法律に反するとして起訴されることを恐れて、2011年にラスヴェガスに移住。しかし、結局のところ、これが今回の裁判のきっかけとなった。原告側の訴えはこうだ。「誰にも迷惑をかけずに暮らしているのに犯罪者扱いされるのは憲法違反だ!」

 これに対して判決を下した連邦判事は、重婚そのものを合法性は認めないものの(重婚を認めると、違法性のある結婚詐欺などを取り締まれなくなる)、原告のブラウン一家の主張を大筋で認め、ユタ州法上の「同棲禁止」条項は違憲と判断した。もちろん、この判決にアメリカの保守層は猛反発をしている。
 我々日本人にとって興味深いのは、今回の違憲判断が「信仰の自由」を犯すものとされたことだろう。一夫多妻という制度自体は、イスラーム諸国で残っているから特別に珍しいわけではない(テレビでもよく複数の妻を持つ中東の大富豪が出てくる)。けれども、アメリカで一夫多妻と聞くと意外に思われる人も多いはずだ。しかし、アメリカでは現在も38000人あまりの人々が、一夫多妻生活を営んでいるという。彼らの多くはモルモン教から分派したモルモン原理主義者たちだ(ブラウン一家もこれに当てはまる)。


■モルモン教、弾圧史

 実は、モルモン教の一夫多妻制の合法性をめぐっての議論は100年以上の歴史がある。19世紀初頭に興ったモルモン教は元々、古代ユダヤの部族制度にならって一夫多妻制を実施していた。迫害のうちに虐殺された教祖、ジョセフ・スミスの後を継いで教団を指導したブリガム・ヤングには27人の妻と、56人の子がいたという(55人の妻に、57人の子がいた、とする資料もある。どちらにせよ、すごい数だ)。彼らの一夫多妻制は男性家長を中心としたハーレムのようなものでなく、慎ましいピューリタン的な家族の拡大版であった。

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