驚異のプラシーボ効果! “失敗手術“でもみるみる回復する実験結果に医学界も驚き

TOCANA / 2014年2月16日 14時30分

 さらには患者との会話にも細心の配慮がなされた。「プラシーボに分けられた患者に対しては、よりよく実験を運ぶために背中を押しながら『いいですか、奥様。セメントを今から入れますよ。もう少しで終わりますからね〜』と声をかけ、端から見ている人間にはまるで『子供の手術ごっこ』のようでした」、とカルメス博士は説明する。

 この革命的な実験によって、実際には何の手術も受けていない患者も、手術を受けた患者と同等の回復傾向をみせたことが明らかになった。この治験者の1人、ボニー・アンダーソンさんは、この「手術ごっこ」が実際に苦痛を緩和したことに信じがたいようだった。というのも、アンダーソンさんは、数年前にも異なる脊椎が挫傷し、実際の椎体形成術を行っていたからだ。彼女は、手術に何を期待できるか知っていたわけで、プラシーボだと騙すのは容易ではないと思われたのだ。しかし結果は明らかだった。

 「それから一週間もしないうちに、ゴルフをプレーすることができたの。痛みは少しのこっているけど、私はほとんど毎日ゴルフをプレーすることができたのよ。」

 御年76歳のアンダーソンさん。この毎日のゴルフが、「ダミー手術」の有効性を示している。事実、以前に手術した箇所と、ダミー手術を施した箇所に、痛みの違いを感じないという。


■ブラシーボ効果に震撼する医学界

 この実験を通して、プラシーボ効果の有効性を示したのは彼女だけではない。カルメス博士の発言を要約すると、椎体形成術とプラシーボを経験した患者間の鎮痛の程度で、統計的に顕著な違いはありませんでした。また、より重要なことには、椎体形成術とプラシーボを経験した患者間において、その後、身体機能におけるに改善に顕著な違いはなかったのだと言う。明らかなのは、「ダミー手術」が骨折の治癒に関して有効だということに疑う余地がないということだ。これは、プラシーボ効果により、脳が「痛みは無くなった」と認識していることによるものだと考えられ、その後、自然治癒力によって回復へ向かうものだと考察された。偶然にも、アメリカでカルメス博士が実験をしている間、同様の実験をオーストラリアの科学者が行っていた。カルメス博士の研究結果同様に椎体形成術は、ポラシーボより上手くいかなかった。難しいのは、一旦プラシーボだと分かってしまえば、その効果が発揮できなくなってしまうという点にある。

 カルメス博士の発見は、医学界に衝撃を与えたものの、世界中の医者はいまだ、100万人以上に椎体形成術を施している。カルメス博士は、三日間の術後の経過を公表し、苦痛の急激な減少から「ダミー手術」が即効性のある、有効手段であるということを示した。しかしそれでもなお、椎体形成術が必要とされていることは、カルメス博士自身も認識しているところである。結局、「ダミー手術」は、結果的に患者を騙すという倫理的問題を抱えているため、椎体形成術を希望する患者には希望通り、手術を施すしかないのだ。

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