【東芝裁判】うつ病で解雇された女性 “生理痛が重い“と、損害賠償額が減る!?

tocana / 2014年3月2日 9時0分

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 2月28日、最高裁の第2小法廷は傍聴人で満席となった。原告は重光由美さん。被告は日本を代表する電機メーカー、東芝である。

 1990年に東芝に入社した重光さんは、2000年の暮れから、液晶生産ラインの立ち上げや新製品の開発に携わる。同時期の半年間に2名の同僚が自殺するほど、激しいノルマの下での長時間労働だった。重光さんは、うつ病を発症し休職。休職期間の満了をもって、会社から解雇を通告されたのだ。休職に至る前に、重光さんは頭痛を訴えるなどしていたが、上司は業務の軽減などをしなかった。

 08年、東京地裁は、「東芝は安全配慮義務違反を犯しており、解雇は無効である」として、東芝に、重光さんに賃金と損害賠償の支払いを命じる判決を下した。重光さんの全面勝訴だったが、東芝が控訴する。

 11年、東京高裁は、解雇の無効は認めるが、損害賠償を減額する判決を下す。もともと生理痛がひどく、うつになりやすい体質だったなどの理由で、過失相殺とされたのだ。だが、生理痛とうつとの因果関係が、東芝側から立証されたわけではない。一般的には関係がないだろうと思われる。だが会社の定期検診の際に、生理がやや重い、と答えていたカルテの記載が、判決で取り上げられたのだ。

 重光さんは、すぐに最高裁へ上告受理申し立てを行った。

3年間、最高裁への要請を行ってきて上告が受理され、今回の口頭弁論に至る。わずか数パーセントという狭き門を通って上告受理がされるのは、高裁での判決が見直されるケースがほとんどだ。重光さん側の3人の弁護人が次々と陳述を行ったが、東芝側の弁護人は沈痛な面持ちで、なんら主張を述べることはなかった。

 判決は、3月24日。「人と地球の明日のために」をスローガンに掲げる東芝が、労働者を使い捨てにしているという実態に対して、最高裁が示す判断が注目される。
(文=深笛義也)

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