【シリア内戦】「血の臭いと悲鳴、鳴き声...正直ショックだった」平成生まれの戦場カメラマン・吉田尚弘インタビュー

tocana / 2014年3月11日 16時0分

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 若干22歳の「平成生まれの戦場カメラマン」吉田尚弘氏。2年間で85人以上ものジャーナリストが亡くなったという紛争地帯「シリア」での戦場体験について話を伺った。


■戦場は憧れ、究極の場所

――吉田さんは16歳でバックパッカーを始めて、主にアジア圏のスラム街で写真を撮り続けるうちにプロのカメラマンとしての道を歩み始め、19歳のときにはミャンマー難民を取材しています。そして2013年3月には内戦中のシリアへ入られました。なぜスラムから戦場へ?

吉田尚弘氏(以下、吉田) 極端な話、スラムには一般の旅行者でも入れるんです。実際、ブログやツイッターにスラムの写真をアップしているバックパッカーの方もたくさんいます。でも、戦場には、限られた人しか入れない。いわば憧れですね。あと、僕はスラムで長期的に生活してもいたのですが、スラムにもテレビはあって、住民たちも紛争のニュースを見たりしてるんですよ。すると、彼らですら「戦場に住んでる人は、ほんとに大変だよね」なんてことを言ったりする。

――スラムの暮らしだって決して楽ではないのに。

吉田 ということは、戦場という場所は、もしかしたら人間が住める究極の場所であり、人間の、生き物としての本質的な部分が見えてくるんじゃないのかなって。

――で、念願叶ってシリアに乗り込んだわけですが、それは吉田さんが「師匠」と慕う某戦場カメラマンさんの伝手で?

吉田 そうです。僕は駆け出しのころから師匠には大変お世話になっているのですが、おりに触れて戦場への行き方を訊ねたりして、それとなく「僕も行きたい」アピールをしていたんです。でも、まず入国自体が難しいですし、入れたとしても2週間くらいの取材で50万円くらいかかってしまう。しかも、当時のシリアにおけるジャーナリストの死者数は、第二次世界大戦以降最多で、2年間で85人以上が亡くなっていたんです。

――ガチで危ない。

吉田 それでも、どうにかして行けないかと当てもなく思案していたところ、突然師匠から「2日後にシリアに行くことになった」と電話があったんです。しかも「医薬品を運ばなければならないから、吉田がいてくれたら助かる。宿泊費も出してやるから、お前は航空券だけ用意すればいい」と。もう、行くしかない。


■戦場での移動手段とコスト

――取材にお金がかかるというのは、具体的には?

吉田 取材の仕方によっても変わってくるのですが、たとえば防弾チョッキが必要な場合、現地で買わないといけません。あるいは、シリアでは反体制派も自由シリア軍と国際テロ組織アルカイダ系のISIS(イラン・シリア・イスラム国)に分裂していたり、いろいろな勢力が入り乱れているので、ヘタに動くと殺されてしまう。そんなときにガイドという存在が非常に重要なんです。当然、ガイド料が発生します。

tocana

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