名画の尻に描かれた“地獄の音符“を奏でた結果...  鬼才、ヒエロニムス・ボス「快楽の園」

tocana / 2014年4月3日 16時0分

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"Hit a bum note"という英語表現があります。間違った音を奏でることを意味し、ここで"bum"は「悪い」の意味で使われています。しかし、"Now that's a bum note!"という見出しで始まるDaily Mailの記事にはちょっと別の意味があります。

【音はコチラ→http://tocana.jp/2014/04/post_3901.html】

■ルネサンス期の鬼才! ヒエロニムス・ボス

 ヒエロニムス・ボスと聞いて何を思い浮かべますか? 悪魔を呼び出すときのおまじないの呪文? (それはエロイムエッサイム!) ヒエロニムス・ボスは人名で、知る人ぞ知るルネサンス期の鬼才です。聞き覚えがないからといって自分の知識の無さを嘆く必要はありません。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロといった同世代の巨匠と同列に語られることの少ない(ない)稀有な天才です。

 我が道を行ったボスは、多くのルネサンス画家が理想化された現実、神、聖人を描いたのに対して、空想の超現実を多く描きました。シュールレアリズム(超現実主義)は、20世紀の芸術潮流ですが、ボスの絵画を見ると、その400年も前にシュールレアリズムの一つの極みがあったことがわかります。残念なことに16世紀の宗教改革運動の煽りで、ボスの作品はそのほとんどが破壊されてしまい、現存する作品は30点ほどと言われています。


■シュール過ぎる絵画、「快楽の園」

 その数少ない現存する作品の中で、ボスの代表作と呼べるものが「快楽の園」です。この作品は、三連祭壇画の体裁を取っており(わかり易く言うと三面式西洋屏風)、一番大きな真ん中の面に現世の快楽(堕落)が、向かって左面にエデンの園(創造)、そして右面に地獄(天罰)が描かれています。大勢の裸の男女、奇妙な動物と建造物、そしてわけのわからない行動が描写された現世がすでに十分シュールなのですが、よりシュールでグロテスクなのがその右側にある地獄の描写です。


■地獄の音を再現!!

 地獄では、人が想像し得る限りの拷問や辱めが展開されていて、獣に滋養として堪能される人々も描かれています。その中に、楽器による拷問を受けている一団があり、弦楽器リュートの下敷きにされて下半身だけ露出している人間が見えます。そのお尻に楽譜が刻まれているのです。この譜面は、地獄の門を開ける詠唱(チャント)とうわさされるものなのですが、この度この音楽が、史上初めて(?)アメリカの大学生の手により演奏されたそうです。

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