500年以上の時を経て蘇った、アンコールワットの“隠された壁画“が神秘的!

tocana / 2014年7月1日 17時0分

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 6月、群馬県の富岡製糸場と周辺の養蚕関係施設が絹産業遺産群として、世界文化遺産に登録されました。国際的に普遍的な価値があると公式に認められたことで、関係者は誇らしい気持ちであふれていることでしょう。貴重な文化財はその国や地域の象徴となりますよね。たとえばカンボジアでも、国旗にアンコールワットが描かれているのが、その証拠。今回は、そんなアンコールワットがNASAの技術によって丸裸にされた! という事件です。

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■200もの隠れた壁画がNASAの技術で発見

 日本人観光客も数多く訪れるアンコールワットですが、実は最近、裸眼では見えない壁画が多数あることがわかりました。NASAで使われている技術によって、200カ所にもおよぶ隠れた壁画に、ヒンドゥー教の神々から、ゾウやライオンなどの動物、人々、ボートや楽器など、中世の芸術が表現されていることが明らかになり、考古学者の注目を集めているのです。


■アンコールワットの歴史

 アンコールワットは、12世紀にアンコール王朝時代の王スーリヤヴァルマン2世によって建てられました。ヒンドゥー教の寺院として30年もの歳月を費やして建てられましたが、隣国の侵攻に悩まされていた15世紀に放棄され、存在を忘れられてしまいます。しかし、16世紀にアンチャン1世らによって再建され、その後仏教の寺院として改修されました。

 現在では年間数百万人もの観光客がアンコールワットを訪問。2キロ平方メートルという広大な敷地の中にそびえ立つタワーや、随所にある複雑な彫刻が訪問者を魅了しています。彫刻は1キロ近く範囲に広がるものもあり、その内容はヒンドゥー教の神話の様々な場面を描いていることが多いようです。

 しかし、今回の発見によると、一見してすぐにわかる彫刻のそばにも、見えない芸術が存在していたということです、なんというロマンでしょう。


■発見までの経緯

 隠れた壁画の研究は、2010年、オーストラリア国立大学で岩絵を研究しているノエル・イダルゴ・タン教授が、壁にわずかに残った塗料に注目して写真を撮影し、後に画像を解析してみたところから始まりました。解析方法は、「無相関ストレッチ」と呼ばれるNASAの技術を用いました。

 無相関ストレッチという画像処理は、微妙な色の違いを強調することにより、肉眼では確認できないような色の変化をはっきりと視認できるようにする技術です。この技術はもともと火星を調査する探査機が撮影した写真を解析するために、NASAのジェット推進研究所が開発したものです。「赤い惑星」とも呼ばれる火星は色彩に乏しいため、詳細な分析にはこのような技術が必要でした。

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