「40年間雨が降っていない」 男たちがぐるぐる巻きにされる大田区の奇祭「水止祭」

TOCANA / 2014年7月16日 13時0分

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■リンチか? SMか? 大森駅で...

 7月14日、京浜急行大森町駅から徒歩10分の閑静な住宅街の道路には、荒縄でぐるぐる巻きにされた男2人が転がっていた。ほら貝を手にした彼らは、周囲の人々から水を容赦なく浴びせかけられ「せーの」という掛け声とともに運ばれていく。その姿は、まるでリンチか、新手のSMか、もしくは罪人に対する水攻めの刑のようにも見えてくるが......。

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■水止祭

 「水止祭」と呼ばれるこの祭りは、鎌倉時代から続く奇祭。1321年、大干ばつの被害によって餓死寸前だった大森町で、厳正寺の住職・法密上人が雨乞いの儀式を執り行った。7日間にわたって祈祷を行い藁でつくった龍神を海の沖に沈めたところ、たちまち恵みの雨が降り注ぐ。人々は、その雨を驚き、喜んだという。だが、それでは水「止」祭にはならない。


■祭りの影響か? 止まらぬ雨

 干ばつから2年後、今度は数十日も降り続く長雨に見舞われてしまった。もともと水はけが悪く、水害に悩まされ続けてきた大森の地域。住民たちの中には、上人がかつて行った雨乞いを恨む者さえあらわれたという。そこで、やむなく法密上人が雨止みの儀式として、人々にほら貝や太鼓、舞を踊らせると、たちどころに雨が止み、黒い雲の間から日光が輝き出してきた。以来、人々の願いを聞き入れてくれた仏に感謝し、700年にわたってこの奇祭が続けられているのだ。


■水止祭、謎の儀式

 ぐるぐる巻きにされた男たちは、龍神に見立てられており、荒縄の端には龍の頭が付けられている。寺から200mほど離れた大森東中学校から龍神の運搬はスタート。男たちが5人がかりで少しずつ少しずつ寺へと近づいていく。この間も、龍神に向けて容赦なく水が浴びせられる。龍に向けて水がかけられることによって、道が清められるそうだ。龍神の後を、3匹の獅子舞や、花籠と呼ばれる女性たち、警固と呼ばれる子どもたちが進んでいく。

 子どもから大人まで、祭りに参加する地域住民は、容赦なく水をかけまくり、観光客やカメラマンもずぶ濡れにされてしまう。水がかけられると、龍神となった男はほら貝を吹き鳴らす。これは、龍の雄叫びを意味しているという。水神である龍にとって、水は欠かせないもの。祭りの参加者とともに、水を浴びた龍神は生き生きと咆哮をあげるのだ。

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