【LINE】『決闘罪(決闘罪ニ関スル件)』で中学生が書類送検! 100年以上前の法律が適用されるようになったワケとは?

tocana / 2014年7月27日 14時0分

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 2014年7月24日、福岡県警が福岡市内に住む15歳のアルバイト店員ら13人が"決闘容疑"で書類送検されたと報じられた。

 送検容疑は、前年2013年に行われた福岡市の高校説明会の会場で、二人の男子が「目と目が合った」という他愛もない理由で喧嘩に発展。その後二人は、携帯用無料アプリ『LINE』でお互いのIDを知り、LINE上で「出てこいよ」「大濠でやろう」などと煽り続けた結果、"決闘"に至ったためだという。

 さて、一般にはあまり知られていないが、日本の法律には『決闘罪(決闘罪ニ関スル件)』というモノがある。制定されたのは明治22年で、相当古い法律だ。

 "決闘"の定義は定められていないが、過去の判例では「当事者間の合意により相互に身体又は生命を害すべき暴行をもって争闘する行為」とされている。

 この法律が成立したのは、明治21年、後の総理大臣となる犬養毅氏(当時、新聞記者)に対し、"決闘"が申し込まれ、氏が拒絶したという事件がきっかけだ。この後、犬養氏の元には"決闘"の申し込みが多発。男の勇気を示す場でもある決闘は、もともと"果し合い"という風習があった日本で大流行する可能性があった。そのため、治安に影響が出ることを懸念した明治政府は、決闘を違法行為として取締まるため『決闘罪ニ関スル件』を制定したのだ。それから決闘罪は、現在まで廃止されることなく、ずっと効力をもって存続している。

 具体的な決闘罪に該当する者とその刑罰は以下の通りになる。

・決闘を挑んだ者とそれに応じたもの:6月以上2年以下の懲役

・実際に決闘をした者:2年以上5年以下の懲役

・決闘の立会人(実際に立ち会わなくても立会人になる事を約束した場合も含む):1月以上1年以下の懲役

・決闘が行われることを承知の上で、決闘場所を提供した者:1月以上1年以下の懲役

 今回の事件で立件されたのは13人だ。LINE上で、1対1の"タイマン"が成立していたが、決闘当日、現場である福岡市内の公園には、LINE上の会話を見て、100人以上の見物人が詰め掛けていた。この見物人の中から、決闘当事者と近しい者たちが"立会人"とみなされて、検挙されたようだ。LINEの様なネットを利用して気軽に人とつながれるSNSだからこそ発覚した事件だといえる。

 しかし書類送検後の処置は、被疑者が未成年だという事を考えると、起訴猶予で不起訴に終わる可能性が高い。そもそも100年以上前に制定された、過去の遺物のような罪状が再び適用されて始めたのは、比較的最近のことだ。

 この"罪状"が適用され始めたのには、警察や検察が未成年による私闘を暴行罪や傷害罪で取締まるのが難しかったためという見方がある。私闘(いわゆるケンカ)の場合は、どちらが加害者でどちらが被害者なのかが、ハッキリしない事が多く、暴行罪や傷害罪を適用するには不適切だった。だが暴力行為が横行するのを放置するわけにもいかず、彼らは昭和期には適用されるケースがほとんどなかった法律『決闘罪』を復活させたのだという。

 若いうちはケンカや決闘なんてバカな真似も、若気の至りとして見逃されていることも多かったが、近年ではそうもいかないようだ。
(文=ごとうさとき)

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