「DNA鑑定は誤り」再審請求 ― DNA鑑定は当てにならないの?

tocana / 2014年8月8日 13時0分

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「足利事件」と同時期の約20年前、女性に暴行したという容疑で逮捕・起訴されていた男性が、逮捕された要因である「DNA鑑定は誤り」として、今月中にも、地方裁判所へ再審請求を起こすことがわかった。事件の公判で男性は無罪を主張し続けたが、現場に残されたDNAが男性のものと一致したという鑑定結果が決め手となり、有罪判決を言い渡されていた。現在、男性は服役を終え、出所している。

 この事件に関して、刑事手続きや冤罪に詳しいライター・ごとうさとき氏に解説してもらった。


――DNA鑑定の誤りであると、被害者男性は訴えていますが、この鑑定の信ぴょう性はどれほどのものなのでしょうか?

ごとうさとき氏(以下、ごとう) 「現在のDNA鑑定は、DNAさえ採取できれば、同じ型の別人が現れる確率は約4兆7千億人に1人というほどまでに精度が上がっています。計算の上では地球上に今生きている人で、同じDNAを持つ人はほぼゼロだと言えるレベルまで絞り込めるようになっていますよ。

 ただ、今回の事件や冤罪事件だと判明した『足利事件』は、約20年前の話です。当時採用されていたのは「MCT118型検査」と呼ばれる検査方式で、1,000人に1人、同じ型が現れる可能性があるという、精度が低いものでしかなかったんです」


――昔のDNA鑑定は個人特定の方法としては、あまりあてにできないということでしょうか?

ごとう 「当時、DNA鑑定は血液型や指紋鑑定に代わる、新たな鑑定方法として注目されていました。ところが当時の信頼度は、お粗末なもの。それを警察自身や法曹界が知っていたかはわかりませんが、少なくともマスコミや裁判所は"DNA鑑定は絶対に間違いない"と信じ込んでしまい、それゆえに、冤罪が生まれてしまった可能性はあります。同じように、当時のDNA鑑定が決め手になって有罪が確定してしまった人は、まだ8人くらいいるのではないかと言われています」


――その方たち全員が冤罪なら大変なことになります。

ごとう 「そうですね。再審が認められ、逆転無罪にでもなれば、国は賠償金を払わなければならない。身柄拘束に対する刑事賠償は、だいたい1日あたり約1万円で計算します。『足利事件』の菅家さんには9,200万円の賠償金が支給されています。

 この額が高いか安いかは個人個人で受け止め方が違うでしょうが、私ならば9,200万円もらえても、17年半もの間、刑務所に入るのはお断りしますね。身柄を拘束されるだけではなく、刑事事件で有罪判決を受けるという事は、家族も仕事も失ってしまう可能性も高いですから」

tocana

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