腰から妹が生えた女 ― マートルの奇跡の人体構造と数奇な人生とは?

tocana / 2014年8月15日 21時0分

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「四本足の女」――。世間は、ジョゼフィン・マートル・コービンをそう呼んだ。

 しかし、正確に言うとこれはまちがいだった。確かに、彼女のドレスの裾からは、四本の足が覗いて見える。だが、このうち一組がマートルのもので、もう一組は寄生性ニ殿体(dipygus)の双子のものだった。

 二殿体は非常にまれな奇形症だ。写真をよくご覧いただきたい。ほぼ正常に成長した外側の足の間に、未成熟の小さな足が二本ぶら下がったように生えている。まるでカニかクモを思わせる異様な光景だ。

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 けれども実は、内側の足と外側の足でペアなのだ。 このペアが二組ある。そう、双子と書いたが、彼女の双子の妹(─そうわかるのは後のことだ─)には腰から下があるだけで、その上は痕跡しか残っていない。つまり、マートルには"下半身だけの妹"が寄生しているのだ。言い換えれば、マートルには二つの骨盤があるということになる。


■芸名は「テキサスの四本足少女」

 彼女は1868年、アメリカのテネシー州で、父ウィリアム H. コービンと、母ナンシー・コービン(旧姓サリンズ)の間に生まれた。子供時代の大半をアラバマ州のブラウント郡で過ごした。兄弟姉妹はマートルを入れて4男4女。彼女は生後3週間で体重が約4.5キロあり、よく乳を飲み、すくすくと成長した。

 1890年の国勢調査によって、マートルは信じられないほど稀な奇形のケースとして世間の注目を集めた。翌年13才になると「テキサスの四本足少女」の呼び名で、見世物芸人の道を歩みはじめた。

 最初のプロモーション・パンフレット(「マートル・コービンの来歴、1891年)には「夏の日差しのように優しく爽やかな性格」とある。その人気はたいへんなもので、休演の際には偽の代役が立てられるほどだった。マートルは身長約5フィート(約1.52メートル)、肌は抜けるように白く、眼は青く、巻毛で、とても知的だった。

 彼女の人気は、そのすぐれたショーマン・シップに裏打ちされていた。内側の小さな足にも、外側の足と同じソックスと靴を履かせた。これが彼女にきわめて超自然的な風貌をあたえ、たちまち週に450ドル以上も稼ぐ売れっ子にのし上がった。

 そのまま続くかに思えた奇形芸人生活だが、7年後、19才になったマートルになんと求愛者が現われた。

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