代理出産が原因? ビザラン規制で失われゆくタイの魅力!

tocana / 2014年8月19日 10時0分

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 タイの首都、バンコクのコンドミニアムで代理出産で産まれたとみられる9名の乳幼児が保護された事件。タイ警察当局者は、8月18日、この男性が日本からタイの首都バンコクに17日に到着したと発表している。

 9名のほかにタイを出国し、カンボジアへ向かった乳幼児も確認され、延べ人数は15名におよぶ。タイ警察によれば、このうち12名がDNA鑑定により日本人男性が父親であると確認されている。

 さらに、タイと並び代理出産ビジネスがさかんなインドにも2名の子どもがいるという情報もある。日本人男性は資産家であり、売買目的で子どもを作っていた可能性は低く、莫大な資金を振り分けるための相続税対策ではないかといった指摘もされる。

「事件はタイのメディアでも報道されています。日本人男性のパスポートのスキャン写真も掲載されています。さらに日本ではあまり報道されていない男性のバックグラウンド、有名ITベンチャー企業の御曹司といった情報も出ています」(タイに詳しい旅行ライター)

 事件発覚と同じタイミングで、タイでは8月13日からビザラン規制が強化された。ビザランとは、ビザを取得せずに長期滞在を行う行為を指す。

 日本人の場合、ノービザでタイに入国すると30日の滞在許可が与えられていた。これ以上滞在する場合は、目的に応じたビザの取得が必要となる。ただし、これまでならば1日でもタイ国外に出て戻れば、再び30日の滞在許可が与えられていたが、今後は規制が強化され頻繁な出入りができなくなる。

「タイは陸路で国境を接する国も多い。バンコクからカンボジア国境ならば、日帰りも可能です。そのためビザランを繰り返し、長期滞在する"外こもり"と呼ばれる生活スタイルが可能でした。

 しかし、徐々に規制が強化され、今までは6カ月以内に90日を超えて滞在してはならないというルールになりました。その後は隣接国のタイ大使館で観光ビザを取得するスタイルが定着するも、現在では発給を拒否されるケースも出てきています。

 これまでの規制は陸路に限るものでしたが、8月13日からは空路への出入りにも厳格に適用されることになりました」(前出・同)

 日本人男性は2年間の間に、タイに66回の入国が確認されている。さらにカンボジアのほか複数国のパスポートも所持していると言われている。明らかにビザラン規制の対象となる回数だ。

 事件発覚とビザラン規制のタイミングの一致は何か関係があるのだろうか。
「ビザラン規制は、日本人だけに適用されるものではありませんし、事件発覚以前から告知されていたので、あまり関係はないと思います。隣接するミャンマー、ベトナム、カンボジアなどから流入する不法就労者が常態化しており、出入りを制限したいという意図があるのでしょう。さらに3月に発生したマレーシア航空370便の事件では、航空券がタイの歓楽街であるパタヤで発券され、購入に偽装パスポートが使われていたことも問題となりました。複数の要素が重なりビザラン規制が強化されたと見られます。ただ、タイに長期滞在していても税金を納めるわけでもない"外こもり"日本人を排除したい事情もあるでしょうね」(前出・同)

 これまで、あらゆる点で"ユルい"のがタイの魅力であった。その姿は変わりつつあるようだ。
(文=平田宏利)

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