ブロークンハート症候群 ― 失恋で人は死ぬ可能性がある

TOCANA / 2014年8月25日 13時0分

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 失恋や最愛の人の死。これらの悲しい出来事で起きる胸の痛み「ブロークンハート症候群」。医学的にも「ブロークンハート症候群」は、そのストレスにより「たこつぼ型心筋症」を引き起こすことが分かった。最愛の伴侶を亡くした後、残された遺族も後を追うように亡くなるという現象をイギリスの「BBCニュース」が追った――。

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■互いを慈しみながら穏やかに暮らしてきた老夫婦の最期

 イギリス・ウォールスに暮らしていたエドモンド・ウィリアム氏は60年連れ添った最愛の妻・マーガレットさんを亡くし、自身も妻の死の一週間後に亡くなくなった。互いに80歳代になってからも手をつなぎ庭へ出ていたというこの夫婦、愛妻の死後、エドモンド氏はまるで時間が止まったかのような日々を過ごしていたという。あとを追うように亡くなったエドモンド氏の葬儀は、生前の仲睦まじい様子のまま妻・マーガレットさんの隣に棺を並べてとり行われた。

 また他にもアメリカ・オハイオ州で70年間連れ添った90歳代の夫婦が、妻の死後わずか15時間で夫も後を追うように亡くなった。

 彼らの娘は地元紙に「どちらか先に死んだら残されたほうも一緒に逝きたいと思っているのは知っていた」と語った。生前、夫婦は旅先でも常に一緒のベッドで眠るほど仲が良かったそうだ。

 最愛の伴侶の死後、残された遺族も後を追うように亡くなる現象と「ブロークンハート症候群」はどのような関係があるのだろうか。


■悲しい胸の痛み...実はストレスからくる心筋症だった

 深い悲しみに直面した時、人は「心が痛い」などと表現するが、そのような症状は「ブロークンハート症候群」という症名でれっきとした医学的現象であることが明らかになった。また、さきほども説明したが、深い悲しみはそのまま強いストレスとなり心臓発作や脳卒中の確立が倍になり、たこつぼ型心筋症(ストレス性心筋症)に陥りやすいことが証明された。たこつぼ型心筋症とは、突如心筋梗塞と同じような胸痛と呼吸困難を発症し、左心室先端の心尖(しんせん)が機能しなくなる症状だ。それに伴い左心室の形が変形し、その名の通り、「たこつぼ型」になるため、たこつぼ型心筋症と名付けられた。また、ストレスが消えると心臓(左心室)も通常の形に戻るという。


■配偶者が亡くなると遺族も死亡リスクが上がる

 2011年には研究により配偶者を亡くした遺族は6か月以内に亡くなる確率が増えるとの発表があった。研究者によると「互いを思いやる結婚はストレスを緩和する作用」があり、また互いが健康を気遣うことで長生きにもつながるのだという。

 年老いるまで穏やかに暮らしてきた老夫婦に「配偶者の死」、というのはとても強いストレスになるのかもしれない。ただ「ブロークンハート症候群」で最愛の人を失う遺族の悲しみを科学で解明してしまうのは何とも味気ない。深く愛し合う夫婦だからこそ、その心の痛みを乗り越え、生きていく希望を見出すことが大切である。
(文=福島沙織)

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