覚醒剤密輸の疑いで日本人逮捕 今後どうなる? インドネシア警察の怖い実態!

tocana / 2014年11月29日 12時0分

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 11月22日、インドネシア・西スマトラ州パダンにあるミナンカバウ国際空港で、73歳の日本人カワダ・マサル容疑者(漢字不明)が逮捕された。罪状は麻薬取締法違反、実に2.5キロもの覚醒剤を密輸しようとしたのだ。

 ミナンカバウ国際空港警察のジョン・ヘルマン署長は記者会見で、カワダ容疑者はマレーシア・クアラルンプール発エアアジアAK403便でパダンを訪れるも、X線機器による検査で旅行カバンに隠された覚せい剤を発見されたと説明した。

 インドネシアは麻薬犯罪には厳しい態度で臨んでいる。麻薬取締法の最高刑は、死刑である。さて今回は、カワダ容疑者の今後の運命を裁判開始に先んじて占っていきたいと思う。


■麻薬密売組織と戦うインドネシア

 西スマトラ州麻薬取締局のアラムシャー主任はカワダ容疑者について、こう述べている。

「カワダ容疑者は中国、マカオ、マレーシアを経由して我が国に入国した。この経緯から、同容疑者は国際麻薬組織の構成員と考えていいだろう」

 カワダ容疑者は犯行について「覚せい剤のことは知らない」と否定しているが、いずれにせよアラムシャー主任のこの言及は検察の判断に影響を与えるだろう。すなわち、密売目的の薬物所持容疑としての立件だ。そうなると個人使用の目的のそれとは違い、死刑の可能性が現実的になる。

 インドネシア政府は、外国人に対して入国前に必ず警告を発する。「麻薬密売人は死刑に処す」というものだ。この文言は出入国カードにも書かれている。当局は「麻薬密売組織との戦争」という観点から市民への啓蒙活動を行い、逮捕した密売人は容赦なくマスコミの前に晒す。そして裁判という名の事務手続きを経て、軍隊よろしく銃殺刑を実行するのだ。


■カワダ容疑者の目前には、死しかないのだろうか? 有期刑の可能性は?

 しかし実を言うと、インドネシアで日本人が死刑判決を受けた例はまだない。いや、厳密に言えば日本に帰化したと思われるインドネシア出身の人物が麻薬密輸で死刑になった例があるが、ネイティブの日本人がそうなったことは未だかつてない。

 麻薬所持で死刑になる外国人の国籍といえば、ナイジェリアかオーストラリアというのが一般市民の持つイメージだ。最近ではイギリス国籍の女性が、検察求刑禁固15年を裁判所で覆され死刑判決を受けた例がある。

 それらの国と日本との違いは、日本がインドネシアに対して巨額の投資を行っている点である。もちろんそのような要素と同国の刑法につながりがあるとは断言できないが、日本人を執行場に送ってインドネシアのイメージを悪化させるのは当局としても望んでいないはずだ。日尼間の観光誘致政策が開始されたばかりの今なら、尚更である。

 となると、裁判所は有期刑の判断の余地も残すのではないか。インドネシアの麻薬取締法での有期刑は、最大禁固20年である。それを鑑みると一番可能性のある顛末は、「終身刑か有期刑かを法廷で議論する」というものだ。

 もちろん、以上に挙げた事柄はあくまでも予測である。死刑の可能性も充分にあり、しかもインドネシアの警察は否認を続ける薬事犯に対して身体的な拷問をかけることでも知られている。

 東南アジアで麻薬に手を出すことは、まさに死に直結しているのだ。
(文=澤田真一)

※画像は、Eneas De Troya / Straight Edge ahora en Bolivia (Flickr, CC BY 2.0)

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