ドラキュラの謎が科学的に解明される! なぜ血の匂いは魅惑的なのか?

tocana / 2014年12月1日 9時0分

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 ドラキュラや肉食獣を惹きつける血の匂い――。ドラキュラがその鋭い歯で美女の首筋に噛み付くシーンは数々の映画であまりにも有名だが、そもそも彼らはなぜ血の匂いを好むのだろうか......。最新の研究で、血に含まれるある成分に起因していることが科学的に解明されつつあるようだ。

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■肉食動物を惹きつける物質を特定

 調査を行ったのはスウェーデンのリンコーピン大学のM・ラスカ教授らの研究グループ。血の匂いには特定のアルデヒド分子「Trans-4,5-Epoxy-(E)-2-Decenal(トランズ-4,5-エポキシ-(E)-2-デセナール)」という化学物質が含まれており、この物質が大きく関与していることを突き詰めたという。

 実験では、スウェーデンの動物園で飼育されていたアジアやアフリカの野生の犬や、南アメリカのヤブイヌ、シベリアンタイガーなどの肉食動物を対象に行われた。

 動物たちに「Trans-4,5-Epoxy-(E)-2-Decenal」を染み込ませた木片を与えたところいずれも、匂いを嗅ぐ、舐める、噛む、引っ掻く、じゃれる、等の強い反応を示したのだ。これは、馬の血液を染み込ませたものを与えた時と全く同じ反応だったという。

 一番強い反応を見せたのはシベリアンタイガーだったそうで、逆に最も早く興味を失ったのはヤブイヌであった。そしてどの動物も果物の香りの成分を染み込ませた木片や、無臭の化合物を含ませた木片には興味を示さなかった。

 ラスカ教授は、「肉食性の動物は嗅覚を通じ、傷を負った獲物を察知する能力が備わっているのはよく知られていますが、具体的にどういった化学物質が関与しているのかはこれまで明らかになっていませんでした。しかし科学的な分析技術が進んだ結果、最終的に30種類の物質の候補が残ったのです」と話している。


■最後の頼りは人間の嗅覚

 この30種類の候補から「Trans-4,5-Epoxy-(E)-2-Decenal」を選び出すのに必要としたのは、なんと人間の鼻。嗅覚が発達し、敏感な鼻を持つ匂いのエキスパートたちの貢献によるものだという。そして遂に、血と関連した特徴的な金属的な匂いのするこの物質を探り当てた。「Trans-4,5-Epoxy-(E)-2-Decenal」は馬だけでなく、他の哺乳類の血液にも含まれていると推測されている。

 教授は今回の研究結果が動物園で飼育されている動物たちの管理に役立つとしているが、全ての肉食動物の嗅覚システムに対して同様に当てはまるかどうかは未だ不明であるとしており、今後さらにより広範な調査を行うとしている。

 科学的分析技術の進歩と匂いのエキスパートの能力にも驚きだが、ドラキュラは『美女の』血が好みであったような......。謎は全て解明されなくても良いのかもしれない!?
(文=Maria Rosa.S)

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