顔面が歪む難病「クルーゾン症候群」 ― 3Dプリンターの進歩が患者と家族を救うか!?

TOCANA / 2015年8月31日 7時0分

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 世の中には、さまざまな奇病がある。なかでも容姿に著しく影響を及ぼすものは、患者やその家族にとって極めて重荷だ――。「クルーゾン症候群」は、「頭蓋骨縫合早期癒合症」とも呼ばれ、世界で最初に報告したフランスのクルーゾン医師にちなんで名づけられた。


■顔面が歪む!! クルーゾン症候群とは?

 クルーゾン症候群の原因は遺伝子の異常だが、約25,000人に1人の割合でこの症状を持つ子どもが誕生する。

 意外と知られていないが、人間の頭蓋骨は1つの骨で構成されているわけではない。新生児の頭の骨は大きく6枚に分かれており、脳の成長に伴い骨も大きくなる。そして、大人になるまでに徐々に継ぎ目がぴったり合わさって、頭蓋骨が形成される(頭蓋骨縫合)。

 しかしクルーゾン症候群では、何らかの原因で頭蓋骨縫合が通常よりも早い時期に起きてしまう。6枚の骨が早い時期にくっついてしまうと、頭蓋骨の正常な発育がなされなくなる。そのため脳も十分に成長せず、知的障害が起きることもあるという。

 また、クルーゾン症候群の大きな特徴に顔貌の変化がある。顔の骨の継ぎ目も早い時期にくっついてしまうため、正常に成長せず、ほお骨が小さく、目が大きく外に飛び出した独特の顔立ちになるのだ。程度には個人差があり、骨の変形のため呼吸がうまくできずに生後早い段階で手術が必要な人もいれば、ある程度成長してから病気に気づく場合もあるという。


■クルーゾン症候群の治療法

 主な治療法は外科手術だ。狭くなった頭蓋を手術で拡大し、脳が成長できる広さを確保し、美容学的に見て頭の形を正常にする。また、顔面の形成が不完全で十分な広さが無いため、気道が狭く呼吸困難になったり、眼球が突出したり、歯の噛み合わせにも問題を抱える。したがって頭蓋の手術とは別に、顔面の骨を切って適切な位置へ移動させる手術も必要になるという。

 これらの手術には脳神経外科、形成外科、口腔外科、眼科、耳鼻科、矯正歯科、小児科、麻酔科など多くの診療科が携わるチーム医療が必要となる。そして症状の程度にもよるが、12歳ごろまでに幾度か大きな手術をすることにより、頭蓋骨の形や顔面を「正常」に近づけることが可能になるとされている。


■手術...3Dプリンターによる目覚ましい進歩

 これまでクルーゾン症候群患者の手術は、医師の目視や経験に頼り、すべて手作業で行われていた。しかし最近、医師が手術に3Dプリンターを使用するケースが増えてきたという。

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