安達祐実、吉岡秀隆...「天才子役」と呼ばれた俳優たちの、正しい成長の仕方とは?

tocana / 2015年10月12日 10時30分

写真

――芸能記者兼・テレビウォッチャー加藤が「なんかヘンだよ、この芸能人。このテレビ番組、ちょっとアレじゃない?」と感じた時に書くボヤキコラム

 子役として活躍していた俳優が次々と大人にシフトした姿を見るようになった。映画『妖怪大戦争』(2005)の主演を務めた神木隆之介、NHK大河ドラマ『龍馬伝』(2010)で龍馬の幼少期を演じた濱田龍臣、トヨタCMの初代こども店長だった加藤清史郎。いずれも、イケメンに成長し二枚目俳優として健闘している。

 知名度の高い子役ほど、イメージという十字架を背負ってしまうため、伸び悩んでしまうという話をよく聞く。「同情するなら金をくれ」の名セリフで有名なドラマ『家なき子』(日本テレビ系/1994)主演の安達祐実は、セミヌードも披露した写真集『私生活』(集英社)を2013年に発表。この写真集について安達は「一度世間に衝撃を与えて、今まであった安達祐実というイメージの壁を壊すのが目的だった」と明かしている。

 しかし中には、子役のイメージのまま成長し、45歳となった今でも一線で活躍している俳優がいる。ドラマ『北の国から』(フジテレビ系)で黒板純役として出演していた吉岡秀隆だ。最近では『若者たち2014』(フジテレビ系)、『流星ワゴン』(TBS系)などのドラマに出演。映画でも『小さいおうち』(2014)、『グラスホッパー』(2015)、来年公開予定の『64-ロクヨン-』と精力的に活動をしている。

 1981年から2002年と長期にかけて放送された『北の国から』では、少年だった吉岡がやがて青年へと成長していく姿を追いかける。また『男はつらいよ』シリーズでも主人公・車寅次郎の甥っ子・諏訪満男役として、吉岡は大人になるまで演じ続けた。

 どちらもナイーブで大人しそうな青年を朴訥とした口調で表現している。というか、そのおっとりとした声風は大人になっても変わらないままだ。常時高視聴率を獲得していたドラマ「『Dr.コトー診療所』(フジテレビ系)シリーズの患者を思いやりながら淡々と病状を伝えるコトー先生。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズでは、駄菓子店を経営しつつ小説家を夢見る茶川竜之介。吉岡が演じたこのふたりは、『北の国から』の純や『男はつらいよ』の満男が大人になった姿なのではないかと勝手に妄想してしまう。

 子役時代に染みついたイメージについて吉岡はどう思っていたのだろう。2014年7月6日放送のトーク番組『ボクらの時代』(フジテレビ系)で吉岡はこんな風に明かしている。

「脱げないじゃない、着ぐるみだったらいいけど。それを無くすためには辞めるしかないかなぁ、と。それで辞めようと思ったときに黒澤監督のオーディション(映画『八月の狂詩曲』/1991年)の誘いがあって、そこからモノ創りの面白さを知った」

 役柄のイメージを作るのは俳優だけのものではない。共演しているキャストやスタッフ、観客や視聴者と作り上げていくものだ。子役についたイメージを払拭しようとする動きは、俳優という職業を冒涜しているのではないかと思う。むしろ吉岡のように、自分についたイメージを残したまま、そのまま成長させていくことで演技の広がりを模索していくのが正解なのかもしれない。
(文=加藤宏和)

tocana

トピックスRSS

ランキング