「『涼宮ハルヒの憂鬱』エンドレスエイトはデュシャンの100倍すごい、世界に誇るアートだ!」 哲学者・三浦俊彦教授インタビュー! 9種類のループ解説も!

TOCANA / 2018年4月19日 7時0分

写真

 TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』第二期に放映された「エンドレスエイト(以下EE)」の解釈を400ページ以上にわたって論じた『エンドレスエイトの驚愕 ――ハルヒ@人間原理を考える』は、EEを肴にした教養講義であり、極上の知的遊戯であり、高速モグラたたきのような論破の快感を味わえる、希代の論考本だ。著者・三浦俊彦氏へのインタビュー最終回(第3回)となる今回は、EEの本質であるループ構造について聞いた。


■そもそもループなんて「なかった」!?

――本書後半、EEのループについて9種類もの解釈を挙げ、それぞれについて「長門有希がどう関与していたか」を長門目線で挙げてゆく展開は圧巻でした。

三浦俊彦教授(以下、三浦) 手前味噌ながら、これは「人間原理」(インタビュー第2回を参照)を理解していないと思いつかない発想でしょうね。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2018/04/post_16547_entry.html】

――そのなかでは、先ほど(インタビュー第1回を参照)お話いただいた「長門壊れた説=長門被災説」は早々に誤読だとばっさり(笑)。しかもテラループ説・オムニループ説などの暗示として、長門が「いま何回目のループか」を数え間違えている(※1)という指摘は興味深かったです。

(※1)長門は、今は(ループが)何回目かというキョンの質問に、「エンドレスエイトⅣ」では15513回と答え、「エンドレスエイトⅤ」では15521回と答えている。うちアルバイトを行った回数は「Ⅳ」で9031回、「Ⅴ」で9048回と答えた。だとすれば、「Ⅳ」と「Ⅴ」の間で繰り返しシークエンス自体が8回しか増えていないのに、アルバイトは17回も増えていることになる。

三浦 そうなんですよ。単純な数え間違いであれば長門のバグ。長門壊れた説でいいでしょう。しかし人間原理的マルチバースを当てはめると、長門が観測した15532回は超膨大なループの中のごく一部分(長門限界説、長門凡人説)。長門にも記憶できなかった外部のデジャヴが計算の混乱となって表れているわけで、長門もキョンや古泉と同レベルということですから、EEは『涼宮ハルヒの消失』で長門が達成する「人間化」の布石になっているわけです。長門の人間化の兆しがあるというのがEEの要であって、「長門が壊れた」とかそんな浅いレベルの話じゃない。EEはそうやって人間原理で読み解かないと埒が明かないと思うんですよ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング