悲しい時に脳内で繰り広げられる“おしゃべり”の正体判明! 落ち込みの数値化実現へ、うつ・不安障害の治療に劇的進展か!?

tocana / 2018年12月4日 7時0分

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 くよくよと思い悩んだり、うつっぽくて気分が晴れない時、脳はどんな状態にあるのだろうか。最新の研究によれば、我々が悲しい気分の時、脳の2つの領域で“おしゃべり”が繰り広げられているという。

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■悲しい気分の時は扁桃体と海馬が“おしゃべり”している

 悲しい気分の時、いったい脳はどのような状態にあるのだろうか。こうした問題に取り組むための常套手段となっているのがfMRI(磁気共鳴機能画像法)を活用した脳活動のモニターによる分析である。被験者をfMRIにかけた状態で悲しい気分にさせる画像を見せたり話を聞かせたりして、その時の脳の血流の動きを観察すれば、確かにいろんなことがわかりそうだ。

 しかし、その一方で人の気分は移ろいやすく、1日のうちでも何度も変わり、時として、特に具体的なきっかけがなくとも悲しい気分になる場合もあるだろう。そこでカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームが考えたのは、てんかん患者に研究協力を仰ぐことであった。

 研究チームは治療のために電極棒を数にして40から70、脳に埋め込んでいるてんかん患者21人の脳活動を7日間から最大10日間、EEGと呼ばれる脳活動測定器でモニターを続けて、その一方で1日を通じて定期的に現在の気分をスマホアプリを通じて申告してもらう実験を行った。電極棒を埋め込んでいる脳をEEGを使って計測すると、きわめて正確で広い領域をカバーした観測が可能となる。

 収集したデータを分析したところ、21人のうち13人の脳活動において、気分が沈んだ時に扁桃体と海馬のコミュニケーションが増加していることが明らかになったのだ。具体的には、気分が優れない時や悲しい気分の時に扁桃体と海馬は同じベータ波(13~30Hz)を発生させていたのである。ちなみに扁桃体の活動は感情に関係があるとされ、一方で海馬の活動は記憶に関係しているといわれている。

「否定的な経験と否定的な感情が密接に関連しているという考え方は、精神医学の分野では古くから存在しており、認知行動療法の核になっています。私たちの今回の発見は、この関係の生物学的な根拠となるかもしれません」と研究チームのヴィカース・ソハール博士はサイエンス系メディア「Live Science」に話している。

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