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小学生が喉に詰まらせ死亡…学校給食での提供見合わせ続く『うずら卵』全国有数の産地でピンチ脱却への取り組み

東海テレビ / 2024年8月11日 16時35分

ニュースONE

 福岡県で2024年2月に起きた誤嚥事故を発端に「うずら卵」の学校給食での使用見合わせが続いている。うずら卵の全国有数の産地、愛知県豊橋市では行政も民間もうずら卵のピンチを救おうと新しい取り組みが進められていた。また、名古屋の食品メーカーなどでも新しい食べ方を模索している。

■子供の誤嚥事故でピンチ…特産の街の市役所では5000パック購入し支援




 6月24日、愛知県の豊橋市役所に到着した1台のトラックには「うずら卵の水煮」が積まれていた。


豊橋市は「うずら卵」の生産が日本一だが福岡県で2月、小学1年の男子児童が喉に詰まらせて死亡した事故の影響で、西日本を中心に学校給食での提供見合わせが相次いでいるという。


在庫を抱える加工業者を支援しようと、豊橋市の職員ら有志が、賞味期限の迫ったうずら卵の水煮合わせて5000パックをまとめて購入し、市役所でさっそく昼食のカレーや中華丼にトッピングして味わった。


豊橋市役所の職員:
「何かお役に立てないかなと思って購入させていただきました」

別の職員:
「小さい頃から口にしているものなので、ずっと豊橋の名産であってほしいと思います」

■小学校では校内放送で注意喚起しながらうずら卵を提供




 豊橋市立福岡小学校では6月下旬、給食にうずら卵が入ったカレーが出された。


配膳中には、校内放送で「きょうの給食のおかずには、うずら卵が入っています。うずら卵はよくかんで食べましょう」とアナウンスが流れ、早食いをせずよく噛んで食べるよう、栄養教諭が指導していた。


うずら卵は児童からも「おいしい」と人気で豊橋市では、事故のあとも以前と変わらず月に1回ほどの頻度で給食に使われている。


山本加奈子栄養教諭:
「よくかんで食べることが食育の面でも大事だと思っていますので、豊橋市の産物であるうずら卵を、給食を通して知ってもらって、郷土に親しみや誇りを持ってもらいたいなと思っています」

■エスプーマ状にしてご当地グルメのカレーうどんとコラボさせる店も




 創業47年の、豊橋市のうどんとそばの店「霧下そば 十勝庵」でもうずら卵を積極的に扱い、支援していた。


豊橋市では “カレーうどん”がご当地グルメとなっていて、特徴の一つがうずら卵を使っていることだ。

この店ではうずら卵をチーズなどと混ぜて、泡状のいわゆる“エスプーマ”にしてカレーうどんに添えているほか、このエスプーマをたっぷりのせた「白いカレーうどん」も人気だ。


店長の和田さんはうずら卵の在庫が増えていることを知り、5月、うずら卵の水煮を8キロ買い取って、カレーうどんを頼んだ人にフライにしてサービスで提供した。


客からは好評で、2週間経たないうちに仕入れたうずら卵がなくなったという。※現在はサービス終了


「霧下そば 十勝庵」の店長:
「こちらも喜んでもらえて嬉しかったですね」


地元の飲食店として、積極的にうずら卵を使っていきたいといい、この日もタルタルソースにして提供していた。

■老舗食品メーカーは“新たな使い方”を模索




 名古屋市中区に本社を置く、老舗食品メーカー「天狗缶詰」の三河工場では、新たな食べ方を模索している。年間2億個以上のうずら卵を加工し、水煮などにして出荷している。


天狗缶詰の担当者:
「なんとか新たな使い方を創出していかないと、国産うずら全体として産業が成り立たなくなるんではないかと危惧している状況です」

天狗缶詰で開発を進めているのは「クラッシュうずら」だ。


細かく砕き味付けし、マヨネーズ味の「プレーン」のほか、子供が好きな「コーンポタージュ」味に、大人っぽい「アヒージョ」味の3種類を開発し、年内の発売を目指しているという。


天狗缶詰の担当者:
「うずら卵はどうしても食べ方が一辺倒でしたので、こういった使い方ができませんかということをメーカーから提案できたら。ファンを増やしていく取り組みができたらなと思っています」

■組合はうずらの「味玉」のラインナップを次々と




 日本で唯一のうずらの農協、「豊橋養鶉農業協同組合」も新商品の開発を進めていた。


2024年3月にオープンした直売所で販売されていたのは、味付きのうずら卵だ。ガーリックとバジルの“ガバジ”味、すき焼き味にみたらし味など13種類。


豊橋養鶉農業協同組合の担当者:
「お客さんから『こういうの作れないの?』という声があり、それに対してチャレンジしてみようと」

客の声を受けて作り始めたという、うずらの“味玉”はおかずとしてはもちろん、レトルト加工が施してあり、常温で1年もつことから保存食としても人気で、多い日には県内外から100組以上の客が来るという。


女性客:
「北海道の友達に贈りたくて買いに来ました」

男性客:
「ここ来たらいろんな味があったので、食べてみようかなと」

組合では飽きが来ないよう、日々新作を考えているといい、2日前にも新たな“味玉”ができたばかりだった。

うずら卵の水煮を明太子と麺つゆで味付けした「おかず明太」は、味が卵にしっかり染みていて、明太子のうま味が口の中にふわっと広がる。

7月2日から販売も始めていて、8つ入りで160円だ。


組合の担当者:
「今後この形だけじゃなくて、期間限定とかお土産のものとかも作っていきながら、『豊橋うずら』という面白いものがあると認識してもらって、この豊橋の日本一のうずら卵を今後守り続けていけるようにしていきたいなと思っています」

2024年6月28日放送

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