防犯カメラが“瞬間”捉える…バイクのひったくり犯をジムトレーナーが取り押さえる「一か八か飛び乗った」

ニュースONE

　7月から名古屋市内で相次いだひったくり事件で、8月12日夜、50歳の男が逮捕されました。男を取り押さえたのは、パーソナルジムを営むトレーナーの男性でした。

　名古屋市西区の防犯カメラに12日夜、逃走するスクーターに男性がしがみつき、転倒する様子が映っていました。男性が逃げようとした男を取り押さえた瞬間です。

　スクーターの荷台を掴んで転倒させ、乗っていた男を取り押さえたのは、パーソナルジムを経営する西本祐也さん(32)です。西本さんの足の指には包帯が巻かれ、膝には路面に引きずられた痕がありました。

西本さん：
「犯人がバッグをとったのは、この辺りだと思いますけども。アクセルを急加速して逃げようとしたので、一か八かで犯人に飛び乗ったという感じです」

　事件が起きたのは12日午後8時前、名古屋市西区那古野2丁目の交差点で、女性が後ろから来たスクーターにハンドバッグをひったくられました。

　女性は西本さんの妻で、一緒に歩いていました。

西本さん：
「気配を感じたので、後ろを向いた瞬間、現認したという感じです。その場ですぐ（バイクの）荷台をつかんで」

　西本さんはバイクの荷台を掴み、そのまま数メートルほど引きずられましたが、バイクは転倒し、男を取り押さえました。

　強盗致傷の現行犯で逮捕されたのは、愛知県蒲郡市の自称作業員・石澤博容疑者(50)です。犯行に使用された白の原付バイクのヘッドライトには、転倒したときにできたものでしょうか、こすったような傷がありました。

　そして西本さんも、この時ケガをしました。

西本さん：
「左の親指の（足裏の）肉は全部なくなって、サンダルだったので。ここの指も爪がないですし」

　この事件の数分前には、中村区でも27歳の女性がハンドバッグをひったくられる事件が起きていて、捜査関係者によりますと、石澤容疑者は逮捕された際、この被害品のハンドバッグを持っていたということです。

　名古屋市内で相次いでいるひったくり。7月8日から8月12日夜までに27件相次ぎ、すべてに共通していたのが「バイクによる犯行」です。

　7月13日に東区泉1丁目で発生した強盗致傷事件の瞬間を捉えた映像には、黒のバイクが映っていました。

　調べに対し、石澤容疑者は「10回くらいやりました」と供述していますが、警察は、容疑者が他にもいる可能性があるとみています。

　捜査関係者などによると、服を着替えて犯行に及ぶなど特定されるのを防ぐための工作をしていたとみられていて「ナンバーを付け替えて犯行した」という趣旨の供述もしているということです。

西本さん：
「自分より弱い女性であったり子供の命を危険にさらすのは、どんな理由があってもあってはならないこと。まさか自分が被害者になるとは思わなかったですけども、捕まってよかったと思いますね」