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国際線→国内線となる機体に隠す…『金塊密輸』対策強化するも手口が巧妙化 ゴルフクラブのヘッドの形に加工も

東海テレビ / 2024年10月21日 17時26分

ニュースONE

 金塊およそ6キロ=5282万円相当を密輸しようとした疑いで2024年9月、韓国籍の男2人が逮捕されました。金塊は2023年8月、愛知県常滑市のセントレア(中部国際空港)に到着した飛行機の中で見つかりました。

 税関で求められる消費税分の支払いを避けるため、近年は、手口が巧妙化しています。

■乗客が降りたあと飛行機内の座席から見つかった金塊




 2023年8月、台湾からセントレアに到着した飛行機のシートの下から見つかったのは、およそ6キロ=5282万円相当の金塊です。


この金塊を密輸しようとした疑いで、東京に住む韓国籍の45歳と38歳の男が逮捕されました。

どのように密輸を図ったのか、巧妙な手口や事件の背景を取材しました。



私たちが訪ねたのは、水際対策の最前線、名古屋市港区にある名古屋税関です。


名古屋税関の神瀬俊彦広報室長に今回の事件の手口について、詳しく聞きました。


名古屋税関 総務部税関広報広聴室の神瀬俊彦室長:
「税関の前を通ることなく密輸しようというものになりますので、一般の荷物の中に隠してですとか、身辺に隠してというものとは、ちょっと違うケースになります」

消費税がかからない国で「金」を購入した場合、本来なら日本国内に持ち込む際、税関で消費税分を支払わなくてはなりません。


しかし今回は、台湾からセントレアに到着した飛行機の座席に金塊約6キロを隠し、その飛行機がセントレア到着後、国内線に切り替わることを悪用し、違法に引き取ろうとしたとみられています。

今回の事件では、2人の男のうちの1人が台湾から金塊をもって飛行機に乗り、セントレアに向かいました。


男はその間に座席に金塊を隠し、到着後、そのまま飛行機を降りました。

その後、国内線として運用されるこの飛行機に乗り込んだ別の男が座席の金塊を回収し、日本国内で外に持ち出そうとしたとみられています。


国内線で、税関検査が行われないことを悪用しようとしていました。

2人が密輸しようとした金塊はおよそ6キロ、5282万円相当です。


密輸が成功した場合、10%の消費税分、およそ528万円を手にすることになります。

■5→8%の消費増税を機に押収量が増加




 税関での金塊の押収量が増え始めたのは、消費税が5%から8%となった2014年からです。

ピークを迎えたのは2017年です。東海テレビがアジアの金取引の拠点、香港を取材すると、驚きの事実がわかりました。

所狭しと金の宝飾品が並ぶ、香港の目抜き通り「ネイザンロード」がある旺角(もんこっく)。店の人は、「金塊だけでなく加工品も買っていく」などと話し、当時、ほとんどの店が日本への密輸のことを報道などで知っていました。

その後、税関での水際対策の強化や、新型コロナによる渡航制限などの影響で、金塊の密輸は減少しました。しかし2023年の押収量は2022年と比べ、2倍近くになっていて、摘発件数は、約24倍にも増えています。


名古屋税関 総務部税関広報広聴室の神瀬俊彦室長は「航空旅客が回復傾向にあるところも金の密輸が増えてきた要因の1つといえると思います。価格も高騰していて、摘発件数が増えてきているので、税関としても取り締まりを強化したい」と話しています。

■巧妙化する手口…ウソのような“密輸方法”も




 しかし、対策強化後は手口の巧妙化も進んでいるといいます。神戸税関では、ゴルフクラブのヘッドの形に金を加工して密輸を企てた事案がありました。


気体を圧縮する「コンプレッサー」が使われた事案では、金を部品の形に加工し、銀紙に包んで約16キロを持ち込もうとしたということです。


手荷物用のカートを悪用した事例もありました。


タイヤ部分の部品を外すと金が隠されていました。

2024年10月4日放送

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