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試験対策の負担や時期も要因に…学生売り手市場で進む『公務員離れ』“SPI”での採用枠設ける自治体も

東海テレビ / 2025年1月7日 17時39分

ニュースONE

 人手不足や少子化の影響で、大学生の就職活動は売り手市場が続いています。地方公務員の受験者数は10年間で3分の2まで落ち込んでいて、採用時期の拡大や試験制度を見直す自治体もあります。

■10年で受験者数が約3割減少…愛知県豊橋市で公務員志望の学生集め座談会




 愛知県の豊橋市役所では2025年1月6日、公務員を志望する大学生と若手職員の座談会が開かれました。

豊橋市の職員:
「すごく働きやすいなと思います。お休みがすごく取りやすい環境なので。波は課によって様々だと思いますけど、基本的に定時で帰れます」

大学3年生:
「全国転勤とかなくて、固定の地域に対して貢献できるというのがすごく魅力的」


豊橋市では2025年4月に50人の事務職を採用する予定ですが、受験者数はこの10年間でおよそ3割減少し、危機感を抱いています。



豊橋市総務部人事課の担当者:
「採用試験の時期が年々早くなってきていて、競争が激しくなっているのかなと。特に技術系の学生さんは、愛知県はメーカーさんがとてもたくさんあって、給与面や待遇でも、おそらく条件が自治体より良いのかなというところで、そちらにいってしまう方が多いのかなと」

■減少続く地方公務員の受験者数 要因に「採用時期」や「試験対策の負担」




 労働現場の人手不足や少子化などで、大学生の就職活動は売り手市場が続いています。

地方公務員試験の受験者数は2023年度、40万人を割り込み、10年前のおよそ3分の2に減少しました。


その要因の1つが「採用時期」です。公務員試験は主に4月から7月に行われますが、民間企業の採用が早まり、多くの学生がその前に内々定を手にしているといいます。


また、公務員試験の対策が負担となるため、民間を選ぶという声もありました。

大学3年生:
「自分の大学の友達は、勉強が面倒くさいという部分と給料の面で、民間企業を選びがちな人が多いです。公務員試験の対策をするのが大変だと感じる人が多いと思います」

名古屋市では従来の試験に加え、2025年度から民間企業で多く使われる適性検査「SPI」による採用枠を設けます。


名古屋市人事委員会事務局の担当者:
「行政に少し興味をもっていただいている方でもより受験しやすくなることで、市役所でいろいろな方が活躍いただけるような環境作りということで、試験制度の方も見直しをさせていただいております」

■辞退者増加で豊橋市は秋採用も開始




 豊橋市では2023年度から、秋にも事務職の採用を始めました。背景には辞退者の増加があるといいます。


豊橋市総務部人事課の担当者:
「他の自治体に決まって辞退される方が多いので、自治体間での競争がここ数年でより激しくなっている」

地域の担い手を絶やさないために。人材の獲得競争が激しさを増しています。

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