【シーホース三河】CS出場を争うライバルのA東京に完敗 リッチマンHC「この敗戦がチームのウェイクアップコールになる」

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■22勝10敗で並ぶ両者　前半は互角も後半はワンサイドゲームに

1月29日、刈谷市体育館で「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン」のB1リーグ第19節が開催され、シーホース三河はアルバルク東京と対戦。前半は互角の展開で、最後までもつれる好ゲームが予想されたが、後半に入ると一方的な展開に。CS出場を争う中地区のライバルに圧倒され、三河は65-87で敗れた。

この日、序盤でリズムに乗ったのは三河だった。今節までリーグ最少失点を誇るA東京を前に、テンポ良くボールを回して得点を重ねていく。一方のA東京も譲らず、2Qのラストプレーでテーブス海がブザービーターの3Pシュートを決めて、前半を終えて37-37の同点。

ここまで共に22勝10敗、同率で並ぶ中地区2位と3位の上位対決。このまま後半も接戦が続くと思われた。しかし、三河にとって思わぬ落とし穴が3Qに待っていた。

安藤周人の3Pシュートを皮切りに、A東京の猛攻が始まる。A東京のシュートは面白いにように決まり続け、反対に三河はシュートが不思議なくらいリングに嫌われる。オープンなシュートもことごとく外れてしまう。あっという間に点差が二桁まで開くと、たまらずライアン・リッチマンHCはタイムアウトを取るが、それでも流れは変わらなかった。

A東京はピックアンドロールからズレを生み出し、エルボー付近からセバスチャン・サイズがシュートを打つプレーを繰り返した。まるでリプレイを見ているように、これが何度も決まる。ちなみに、サイズは3Qだけでフリースロー1本を含めて13得点を記録。フィールドゴールはすべて成功という結果だった。

このA東京のオフェンスに対して、三河は対応できていないように見えたが、実際は少し違ったようだ。試合後、長野誠史はこう話した。

「正直、あれは誤算でした。自分たちのゲームプランとして、（サイズ選手の）あの付近のシュートは確率的に打たせても構わないというのがチームのルールでした。それよりも他に守るべき部分を守ることになっていた。ところが、高確率で決められてしまい、チームとして踏ん張ることができませんでした」

つまり、チームディフェンスが崩壊して好き勝手にやられたわけではなく、A東京が三河のプランを上回ったことがこの敗戦につながった。

■頼みのセカンドユニットでも流れを変えられず　同地区ライバルに完敗

3QにリッチマンHCは流れを変えようと、長野、ジェイク・レイマン、角野亮伍らを投入した。セカンドユニットは今シーズンの三河の強みだ。ベンチポイントで圧倒してきた試合も多々ある。セカンドユニットの好調の要因について、長野は「役割が明確だからかもしれません」と話す。

「セカンドのメンバーが意識しているのは、しっかりとディフェンスを頑張って、足を使ってプレーすること。ハンドラーは自分かジェイク、シューターは亮伍か石井（講祐）さんとやるべきことがはっきりしています。守ってから走る、切り替えを早くする。（好調の要因については）もしかしたら、セカンドのリズムのほうが今のBリーグに合っているのかもしれません。でも、今日に関しては、良いタイミングでA東京さんにファウルをされてファストブレイクがなかなか出せず、リズムを崩されました」

頼みのセカンドユニットでも流れを変えられず、3Qは14-31と圧倒されてしまった。ディフェンスチームのA東京にこれほどリードを許してしまえば、逆転は難しい。結果的に3Qの誤算が勝負を決してしまう。

本来は得点を取るべきはずの外国籍選手がそろって一桁得点に終わり、得点のゲームリーダーは久保田義章の15得点だった。オフェンスの軸となる選手が抑えられたのも敗因に挙げられる。CS出場を争うライバルとの直接対決に敗れ、手痛いゲームとなったが、リッチマンHCはこの完敗を「自分たちが立ち上がるきっかけにするべき」と話した。

「3Q、良いシュートはあったものの決めきることができず、相手は高確率でシュートを決めてきました。シュートが決まらない状況であっても、それをディフェンスに影響をさせてはいけない。ウェイクアップコール（目を覚めさせられる）になったゲームとして、ここから学んで成長していきたい」

今回はゲームプランが裏目に出た格好となったが、それゆえ次回のA東京との対戦が楽しみになった。次はどのようなプランを持ってゲームに臨むのか。そして、ライバルはA東京だけではない。厳しい負けを教訓にして、これからの三河の立て直しに期待したい。