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6万円と高価も200点以上売れる…瓦メーカーがネコ用の小屋『瓦猫』で切り開く未来 需要減るなかアイデアで勝負

東海テレビ / 2025年2月6日 21時26分

ニュースONE

 古くから続く伝統工芸は、需要の低下などで継続が難しいものもある。愛知県高浜市の「三州瓦」もそのひとつだが、ユニークなアイデアで切り開こうとしている瓦メーカーがある。

「三州野安(さんしゅうのやす)」が挑戦しているのは、瓦を使った「ペット好きへのニーズ」だ。

■すっぽりハマる猫続出?瓦素材の猫小屋




 高浜市の「三州野安」は、1913年(大正2年)に創業した、老舗の瓦メーカーだ。


よく見る瓦はもちろん、平たいタイプや洋風なものまで、さまざまな瓦を扱っている。


この会社で、瓦を材料にして作ったのが猫用の小屋、「瓦猫(かわらねこ)」だ。


屋根瓦と同じ材料でできていて、表面は滑らかで、触るとひんやりとしている。

瓦を材料に猫の家を作った理由を「三州野安」の野口安則社長に聞いた。



「三州野安」の野口安則社長:
「(瓦は)熱を保つ作用があって、夏はひんやり涼しくて、冬はほんのりあったかい。どの季節でも猫が快適にすごせる。衛生的にも洗うことができるということで、割れない限り半永久的に使える」


猫は狭いところが好きで、この空間が落ち着くという。また、頑丈なため、猫が爪を研いでも傷がつかないというメリットもある。


値段は6万円と安くはないが、これまでに200以上売れたという。

■苦しい瓦業界…出荷数は50年前の10%に




 愛知県陶器瓦工業組合によると、高浜市や碧南市、半田市を中心に作られる「三州瓦」は、1700年ごろから生産が伸びていき、現在も愛知県は、粘土瓦の生産量の全国シェア75%を誇る。


しかし、住宅着工頭数がだんだん減っていることや、新素材の屋根材が台頭していることもあり、瓦業界全体ではかなり厳しい状態だと野口社長はこぼす。


ピーク時にはおよそ21億もの粘土瓦が全国で作られていたが、現在はおよそ2億枚と、9割も生産が減った。

■職人や学生の力も結集し瓦製の「猫小屋」が完成




 業界全体が苦しい中、野口社長がハウスメーカーからもちかけられた話が「猫瓦」へのチャレンジに繋がった。

野口社長:
「ハウスメーカーさんから犬小屋ができないかっていう話があって、そこでチャレンジしたんですけど…」

試作をしたものの犬は大きさに差があるなど、実用化が難しく断念したが、スタッフのひとりが「猫って屋根瓦の上で気持ちよく寝ているよね」と話したことから、猫の小屋にシフトした。


猫好きの社員を中心にプロジェクトチームが結成され、大同大学の学生にも協力を仰いで、瓦を使った猫の小屋を企画しました。


猫が寛ぎやすいデザインを考え、ダンボールで試作品を作ったりしながら修正を繰り返し、日本最大級のペットの展示会に出したところ、かまくら型の瓦小屋が大好評とだったという。


そこで、工場には猫小屋用の型を新しく作り、きれいに小窓を切り抜いてもらうため、鬼瓦を作る「鬼師」にも協力を依頼した。


鬼師の男性:
「(こういう依頼は)初めてです。大きいのでどこまでできるかなと心配はありました」

スタッフや職人、学生と、様々な力を結集させ、4年前に完成した。全国的にも注目を集め、地元・高浜市のふるさと納税の返礼品にも選ばれている。


野口社長:
「家を建てる人が、屋根にこだわることが少なくなったんですね、瓦を知っていただくきっかけの入口としてずっと進めてきた」

■「インコだろうがカメレオンだろうが」…挑戦はこれからも続く




 この猫瓦をきっかけに、さらに攻めた商品も開発した。「猫ドメ」「犬ドメ」シリーズだ。(※価格は2万2千円)


屋根にかわいらしさが生まれ、犬好きや猫好きをアピールしたい人に好評だという。


「インコだろうがカメレオンだろうがなんでもやってみたい」と話す野口社長は、これからも三州瓦の新しい挑戦を続けていくつもりだ。

2025年1月24日放送

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