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傷つきやすい外壁は“水蒸気”で洗浄…博物館明治村で老朽化した文化財の修復作業 当時の姿で次の世代へ

東海テレビ / 2025年2月11日 16時49分

ニュースONE

 愛知県犬山市にある「博物館明治村」には歴史を彩った名建築が並んでいますが、2025年3月で60周年となり、老朽化が進んでいます。時には数年かかるような地道な修復作業を続け、貴重な文化財を次の世代に残そうと努力しています。

■水圧をかけずにピカピカに…最新の洗浄技術




 明治村に今も残されている「帝国ホテル中央玄関」。20世紀を代表する建築家の1人、フランク・ロイド・ライトが手掛けた帝国ホテルが解体される際、中央玄関のみが明治村に移されました。


しかし、移築からおよそ50年が経っていて、外壁は黒ずみ、苔やカビが付着していました。


そこで行われたのが建物の大掃除です。外壁に使われている石は傷つきやすいため、特殊な技術で150度以上に熱した水を一気に水蒸気に変え吹き付けることで、汚れを根こそぎ落とします。


明治村の担当者:
「高圧の水で洗浄するのではなくて、水蒸気の力で洗浄する方法になっています。それによって、もろい素材を傷めずに洗浄することができます」


洗剤なども使わず、黒ずんでいた外壁はすっきりきれいになりました。

■当時の姿残すために…数年がかりの修復作業




 2025年3月に60周年を迎える明治村には、歴史上貴重な64棟の建物がありますが、老朽化が進み、修復作業は欠かせません。


明治時代に造られた山形県の「天童眼鏡橋」に使われている、淡いピンク色が特徴の山寺石は現在は採掘されていません。


そのため、欠けた部分を再利用し、自然な色合いに整えます。

明治村の担当者:
「石材の欠けたところに、石を砕いて作った粉をモルタルに混ぜて補修しています」


国の重要文化財に指定されている「宇治山田郵便局」の修復では、外壁の塗り替えと屋根の銅板の取り換えに、およそ4年を要しました。


文化財の修復には、まず劣化状況を調査し、申請書類を作成、さらに国や所有者との調整など多くの手間がかかります。そして、当時の姿を再現するよう、慎重に作業が行われます。

明治村の担当者:
「本物の建物ですとか空間にしか出せない力というものがあると思いますので、そういったものを残すために」

かつての人々の暮らしを今に伝える貴重な文化財を次の世代に残すために、地道な作業が続きます。

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