韓国大手ＨＹＢＥの“内紛”がＢＴＳに飛び火 兵役帰りメンバーに注目集まらずファン怒り

活動再開秒読みと言われるＢＴＳ（ロイター）

ＢＴＳなどが所属する韓国の大手芸能事務所・ＨＹＢＥの内紛が泥沼化している――。

傘下のレーベル・ＡＤＯＲのミン・ヒジン代表が経営権を奪い独立を画策したとして、ＨＹＢＥは２５日、業務上背任の疑いでミン代表を刑事告発した。

ＡＤＯＲには、昨年の「第６５回輝く！日本レコード大賞」で優秀作品賞、特別賞をダブル受賞した韓国の人気ガールズグループ「ＮｅｗＪｅａｎｓ」（ニュージーンズ）が所属。ミン代表は生みの親として知られている。

ＨＹＢＥが２５日に発表した内部監査によると、知人の女性占い師から経営権の獲得や社員の採用などを巡り、アドバイスを受けていたなどとした。一方、ミン代表は２５日に開いた記者会見で、独立画策などの疑惑を完全否定。さらに告訴することを宣言したことで、両者間で法廷闘争に突入するとみられる。

ＮｅｗＪｅａｎｓは、５月２４日に韓国で新曲「Ｈｏｗ Ｓｗｅｅｔ」を発売する予定で、６月２１日には楽曲「Ｓｕｐｅｒｎａｔｕｒａｌ」で待望の日本デビューが控える。６月２６、２７日には東京ドームで初の日本単独公演開催を発表しており、未発表の日本での広告出演案件も存在。すべて契約済みで、莫大な違約金発生を避けるためにも、グループ活動は続ける方針とみられているが…。

「両者の溝は深く、和解する可能性は極めて低い。ＮｅｗＪｅａｎｓはミン氏が生み出し、プロデュースしてきただけに、メンバーもミン氏についていく可能性がある。近い将来、独立ということになれば、グループ名の変更は避けられない。日本のＳＭＡＰ騒動のように解散、残留と独立メンバーに分裂する未来も指摘されている」（韓国の音楽レーベル関係者）

すでに内紛の影響は出ており、２６日の韓国・ソウル株式市場では、ＨＹＢＥの株価が一時５％超の下落。内紛が明らかになってから１２％超の下げ幅を記録している。

ＨＹＢＥの象徴でもあるＢＴＳにも影響が及んでいる。現在、ＢＴＳメンバーは全員が韓国で兵役義務中だ。

「リーダーのＲＭが５月２４日、１年５か月ぶりにソロアルバムを出すのですが、その日はＮｅｗＪｅａｎｓの新曲発売日と同じ日。さらにメンバーのＪＩＮが６月に除隊予定で、２０２５年のグループ活動再開を見据えるＢＴＳにとって、カウントダウンのスタートだった。しかし、いきなりＮｅｗＪｅａｎｓに絡んだお家騒動に話題を持っていかれていまい、ＢＴＳファンも怒っている」（同）

Ｋ―ＰＯＰ全体のイメージも毀損しており、韓国音楽界に与える影響は計り知れない。