〝地獄の墓堀人〟ジ・アンダーテイカーが赤坂に突如出没! 大コケしたWWF日本初興行の舞台裏
東スポWEB / 2024年5月19日 10時5分
【プロレス蔵出し写真館】静かな佇まいをみせる東京・赤坂周辺に怪しげな男が出没した。女子高生も距離を取って歩いていた(写真)。
幅広のネクタイ、黒のロングコートに黒い帽子。そして革手袋。時おり長髪の間からのぞく鋭い目。〝地獄の墓堀人〟ジ・アンダーテイカーだ。
アンダーテイカーは、今から30年前の1994年(平成6年)1月22日、米ロードアイランド州プロビデンスで行われたWWF(現WWE)「ロイヤル・ランブル」でヨコズナの世界ヘビー級王座に「棺桶マッチ」で挑戦。相手を棺桶に入れて完全にフタをしめて勝利となる試合形式だ。
アンダーテイカーはジャンピングDDTを決め、ヨコズナを棺桶に叩き込み勝利目前。しかし、フタを閉めかけたところにクラッシュが乱入して救出。WARから参戦していた天龍源一郎とザ・グレート・カブキもリングに上がるとアンダーテイカーに合体ラリアートを見舞う。さらにバンバン・ビガロやディーゼルら悪党軍団も加わって袋叩きにした。
ついにアンダーテイカーは棺桶で眠ることとなった。それでも〝不死身〟のアンダーテイカー、運び出される棺桶から緑色煙が吹き上がると巨大スクリーンに「私の魂はお前たちに一生取りつく。この仕打ちは巡り巡ってお前たちに振りかかるだろう」とメッセージが流れた。
アンダーテイカーは3月20日に米ニューヨークMS・Gで行われた祭典「レッスルマニア10」も欠場。所在不明となっていたが、同月22日、赤坂で目撃されたのだった。
前置きが長くなったが、これは5月7~11日のWWF日本初興行「マニアツアー」のプロモーション。WWFは90年4月13日に東京ドームで全日本プロレス&新日本プロレスと合同興行「日米レスリングサミット」を行っているが、初の単独開催が決定していた。
25日にはWAR事務所で、天龍とともにアンダーテイカーはPR会見に臨んだ。
さて、満を持して開催された「マニアツアー」は惨たんたる結果に終わりWWFの黒歴史ともいわれる。発表された観衆は7日、横浜アリーナ8056人。8日、名古屋レインボーホール6735人。9日、大阪城ホール7120人。11日、札幌月寒ドーム4646人。発表は3割増しだろうか…4会場とも閑古鳥が鳴く有り様。広い会場に空席ばかりが目立っていた。
この大会は大手イベント会社のキョードー東京が協力していたが、同社がプロレスを手掛けるのが初めてということもあり、観客動員に苦戦したといわれた。「今回はまだマーケットが見えなかった。次も前向きに検討しているので、何がよくて何が悪かったか、よく整理します」と、同社は第2弾興行もサポートする意向を示した。
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