久保建英のビッグクラブ移籍を疑問視する声 公認選手代理人が指摘する意外な〝欠点〟

去就が注目される〝日本の至宝〟久保建英（ロイター）

〝日本の至宝〟はステップアップを果たせるだろうか。スペイン１部レアル・ソシエダードで〝覚醒〟した日本代表ＭＦ久保建英（２２）は同リーグ公式の月間ＭＶＰ（昨年９月）に選出されるなど今季も大躍進しており、多くの欧州クラブが獲得に向けて熱視線を注いでいる。ただ、Ｊリーガーを海外クラブに移籍させた実績のある公認選手代理人は、日本人ＭＦの意外な〝欠点〟を指摘し、今夏のビッグクラブ入りを疑問視した。

久保は今季リーグ戦でゴールとアシスト合わせて「１０」以上と結果を残し、欧州ビッグクラブが今夏の獲得に向けて関心を高めている。中でもイングランドの名門リバプールは、Ｒソシエダードが設定した満額の移籍金６０００万ユーロ（約１０１億円）を支払う準備を進めており、他にもマンチェスター・ユナイテッドやアーセナル、チェルシーが獲得への興味を示している。

また古巣スペイン１部レアル・マドリードも久保に注視。Ｒソシエダードに移籍させる際の契約により、移籍金の５０％を手にすることができるため、実質半額で久保を買い戻すことが可能とあって復帰案も出ている。地元メディア「ＭＡＳ ＦＩＣＨＡＪＥＳ」は「リバプールとＲマドリードのどちらを選ぶか」と報道。すでに移籍を確定事項として伝えていた。

そんな中で、スペインリーグに日本人選手を送り込んだ実績もある代理人は「久保はいい選手だと思う。うまいし、技術もあるし、さらに成長する可能性がある」とした上で「それでも、イングランドのビッグ６でいきなり活躍するのはさすがに無理じゃないか。なぜか？ 久保には弱点がある。これという一芸がないんだ」という。

同代理人によると、ビッグクラブに集まる選手はいずれも〝武器〟を持っているという。「久保はなんでもうまいんだけど、特筆するものがないんだよ。ドリブルでもシュートでもＦＫでも〝世界クラス〟というものがないんだ。うまいだけの選手なら他にもたくさんいるし、速いとか、高い、強いとかもない。いい選手ではあるんだけど…」と指摘した。

その上で久保がビッグクラブにステップアップする上で足りないものがあるという。「ここ一番という試合で結果を出せていない印象。２―０で勝ってる試合で３点目を決めるよりも、０―０の試合で決勝点を決める方が価値があるし、ビッグクラブが求めるのは、そういうことができる選手だから。久保にはいわゆる勝負強さみたいなものが足りないと思う」

久保は今季のスペインリーグで多くの得点をマークしているが、土壇場でチームを勝利に導く劇的なゴールはない。日本代表として臨んだ２０２２年カタールＷ杯や１月開幕のアジアカップ（カタール）でも大活躍は見せられなかった。「日本代表で誰もが認めるレギュラーにならないと、ビッグクラブに移籍できたとしてもサブ。スタメンにはなれないだろうな」と指摘した。

まだ２２歳の若手。さらに成長してブライトン（イングランド）に所属する日本代表ＭＦ三笘薫のドリブル突破のように、世界に通用する絶対的な武器を身につける可能性もある。ただ現段階では、スター選手が集まるビッグクラブに移籍できたとしてもレギュラーに定着するのは難しいはず。日本の至宝は今夏にどんな決断を下すか。