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【桟原将司連載#10】社会人公式戦デビューを告げられた日、僕のお尻に一大事が…

東スポWEB / 2024年5月23日 11時9分

グリーンスタジアム神戸のマウンドで社会人公式戦デビュー

【桟原将司 ハナの剛腕道中(10)】高校時代の蓄積疲労の影響もあり、新日鐵広畑でスタートした社会人1年目の僕はほぼ戦力にもなれずパッとしませんでした。ただ、11月にプロ野球でいうところの教育リーグのようなものがあり、社会人の若手ばかりと大学生チームが入り交じって実戦経験を積むような大会があるんですが、そこで自信をつかむ機会を得ました。

その時、ちょうど使用されるバットが金属ではなく木製ということに決まっていました。僕よりも一回り年上の投手の方がコーチ兼任で同行してくれていたのですが、その先輩に僕は直訴したんです。

「この期間中は真っすぐだけで勝負していいですか」と。真っすぐだけで内外角に投げ分けてしっかりとコントロールをつけたい。木製バット使用のため本塁打のリスクが下がるので、そういうチャレンジをしてみたいと思ったんです。

直球だけで思い切り投げてみたり、スローボールとまではいかなくても緩急をつけてみたり、公式戦ではできない「試す」ということを実行させてもらいました。

その期間に強豪の三菱重工神戸を相手に直球だけで7回1失点。これは若手だけでベストメンバーではないにせよ、自分にとっては自信になりました。

ただ徐々に自信がついていったのに、その後も社会人2年目の公式戦では投げてはいなかったんですね。

5月には京都大会があり公式戦デビューのチャンスもいただきました。「この準々決勝に勝てば次は準決勝で相手は日産。お前が先発な」と言われていたのですが…。

なんと、この告知を受けた時点で僕のお尻に大きなデキモノができてしまっていました。痛すぎるので病院に連れていってもらうと、先生から「これは、すごい膿がたまっているからアカンわ」と即座にメスで切開です。そこから1週間、練習すらできず先発も流れてしまいました。

僕の公式戦デビューは都市対抗予選が始まってからでした。相手は神戸製鋼でした。5歳年上の実質的エース格の先輩がビハインドの展開のまま9回途中で降板。独特の応援がある都市対抗の雰囲気を学んでこいと送り出されたのはグリーンスタジアム神戸(現在のほっともっとフィールド神戸)のマウンドでした。そのまま試合には負けましたがチームは敗者復活戦に回りました。

次戦の相手はアスピア学園でした。実はこのチームは野球専門学校のような位置付けであり社会人というか学生野球のような構成。僕の入部1年目に新日鐵広畑が敗戦したことがあったんです。学生チームに広畑が負けて、その上に僕はといえば試合にも投げられてないと思うと、そんな自分が悔しくて涙が出てきて…。

そのチームを相手に僕は社会人2試合目の登板で初先発することになりました。公式戦デビューもしたところで「僕でいいの? 負けたら終わりですよ」という気持ちもありました。それでも終わってみれば8回無失点で勝利です。その結果を受けて第2代表決定戦で神戸製鋼と再戦することになりました。

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