【西武】渡辺久信〝新体制〟で初連勝 ルーキー武内最短降板の陰で光った〝GMの視点〟
東スポWEB / 2024年5月31日 6時13分
ナベQライオンズが反転攻勢へ――。西武は30日の中日戦(バンテリン)で3―0と快勝。交流戦2勝1敗の勝ち越しスタートを切った。
前日29日の対中日2戦目は隅田、アブレイユの継投により1―0で逃げ切り、チームは渡辺久信GM兼監督代行(58)の〝新体制〟移行後に初勝利。この日はソツのない攻撃で相手エース・柳から6回までに3点を奪うと、武内、平井、佐藤隼、松本、2連投となったアブレイユの5人継投で2試合連続の零封勝ちを収めた。
2打点を挙げた打のヒーロー・岸は「接戦になると思っていたので、早い段階で先制点を取ろうと思っていた。チーム全体で必死に勝っていく雰囲気ができているので、これからもカード勝ち越し、連勝を狙っていきたい」と力強いコメント。開幕2カード目以来、約2か月ぶり今季2度目の2カード連続勝ち越しに気を引き締めた。
そしてこの日、マウンドで光り輝いたのは獅子の黄金ルーキーだった。デビューから7度目の先発マウンドで初めてクオリティースタートを逃すも、5回2/3、4安打無失点で無傷の4勝目を挙げた大物新人・武内夏暉投手(22=国学院大)だ。
左腕は「今日はあまり調子が良くなかったので、いろいろと試しながら投げていました。野手の皆さんが先制点、追加点を取ってくれたのでしっかりと先頭を打ち取ることを意識して投げました」とプロ2度目の無四球投球について淡々と振り返った。
一方、渡辺監督代行は武内に対し「今日は本当にあまり良くなかった」としながらも「ただ、そういう中でゲームをつくっていける能力に長けたピッチャー。大学の時からそうだけど、やっぱりいいピッチャー」と評価。自身がGMとして事前の視察を重ねた上、昨秋ドラフトで3球団競合の末に〝クジ〟を勝ち取ったドラ1ルーキーのポテンシャルを絶賛した。
ちなみに、そんな渡辺監督代行ならではの〝GMの視点〟も、この日の中日戦では見逃せないターニングポイントとなったと言える。6回二死二塁、中田を打席に迎えた場面で武内から平井にスイッチした場面だ。武内にとってはプロ入り後最短降板となった。
同監督代行は「(中田)翔がなんとなく嫌だった」。ほぼ大崩れのない好投手の武内が、唯一ミスを犯す可能性があるとすれば「右打者への制球が甘くなった時」(チーム関係者)だった。
大学時代の視察で左打者への内角攻めに絶対の自信を持つ武内が右打者に対して外角ツーシームを拾われたり、勝負球が高めに浮いたところを痛打されたりしたシーンを、渡辺監督代行はGMとして何度か目にしていたのだ。
この日、武内が打たれた4安打も中田、細川、田中幹、福永と全て右打者だった。89球、試合中盤のヤマ場を迎えて〝万が一の制球ミス〟に備えた渡辺監督代行の危機管理がうまく機能したと言えそうだ。
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