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【桟原将司連載#16】プロに入って早々に左膝痛…「ウオーキングの練習からやらなあかん」

東スポWEB / 2024年6月4日 11時13分

台湾出身のスラッガー・林威助

【桟原将司 ハナの剛腕道中(16)】プロ入り早々に大問題が発生してしまいました。1月に入って体力測定や新人合同自主トレをこなす中、残り2クール(約1週間)というタイミングで僕の体に異変が起こりました。

左膝痛です。この故障は結局、詳しい原因も分からず悩み続けることになります。そして最終的には引退に至る原因にもなるのですが…。

投球時に僕の場合は右投げなので左足を本塁方向に踏み出すじゃないですか。膝を90度に曲げて地面につく瞬間、グッと踏ん張らないといけないんですが、着地の瞬間に激痛で膝が抜けてしまうような感覚に襲われたんです。
もう、それが痛くて…。プロ入りしてしばらく経過してから徹底的にMRIやCTなど検査を行って手術に至ることになるのですが、本当の意味でのはっきりした原因は分からずでした。1年目のキャンプ当時も患部の様子を見ながらリハビリということになりました。

新人合同自主トレが終わろうとしていたタイミングなので当然、キャンプは二軍に振り分けられました。それも故障別メニュー組という位置付けで、台湾国籍のスラッガー・林威助さんと一緒にリハビリ、トレーニングをさせてもらうことになりました。

当時は一軍は沖縄・宜野座で二軍は高知・安芸で春季キャンプを行っていました。僕は安芸からスタートだったわけですが、急な上り坂の上にあるメイングラウンドにはあいさつに行くだけです。

そのまま坂の下にあるトレーニングルームに入って林さんとリハビリ。その時にリハビリ担当のトレーナーの方には「君は基礎体力がない。歩き方も汚いからウオーキングの練習からやらなあかん」と言われて、ただひたすら歩くだけでした。

皆はグラウンドを走らないといけないのですが、僕は絶対に走るなと指令を受けてね。スパイクを履いたのもキャッチボールするときくらいでした。それも野手の林さんと30メートルほどの距離で投げるだけですよ。

いわゆる野球選手らしい練習はほぼなしでした。ひたすらにリハビリとトレーニングの毎日でした。しかし、そんな感じでキャンプを過ごしていると、何というんでしょうか知らない間に体幹が鍛えられていて、後にいいように効果が生まれることにもなるんですけどね。

ピッチングを披露してこそ“映える”タイプの自分なのにブルペンに入る機会すらなし。そんな具合だったので当時の木戸克彦二軍監督には「お前は体力なさすぎなんじゃ」とよく怒られていました。

葛西稔二軍投手コーチには1時間にわたるゴロ捕球などのメニューで鍛えてもらいました。うまくできなくて葛西さんにもめちゃくちゃ怒られて、あんなに顔は優しいのにめちゃくちゃ怖いんですよ。

そこから一軍が開幕するころにはピッチングも可能なくらいに回復していきました。若さのなせる業なんでしょうね。いいところを見せられないままで風当たりがきつかった木戸さん、葛西さんが少し優しくなりました。

そして投げてみたら休み肩なうえに体幹トレーニングや下半身強化の相乗効果で、めちゃくちゃ調子がよかったんです。制球難のはずがバンバン、ストライクが入るわけです。球も走るし。そこから急に葛西さんが優しくなったことが忘れられません。

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