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【Challenge! 新人競輪選手紹介】山崎歩夢 東日本大震災で奇跡があった

東スポWEB / 2024年6月5日 14時3分

山崎歩夢は「父のインナーを勝手に持ってきちゃいました」

競輪の新人選手を紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」は6月から125、126期へ移行。7月の本デビューを控える新星たちは魅力あふれるキャラクターばかりだ。山崎歩夢(19=福島)はGⅠ9勝の大豪・山崎芳仁(88期)を父に持つ超有望株。2011年3月の東日本大震災の時の、あの奇跡も振り返る。

輪界の巨人の息子が7月本デビュー(いわき平、7~9日)に向かう。父・芳仁は大ギア時代に〝4回転モンスター〟の異名を取り9回のGⅠ優勝を成し遂げている。そんな偉大な父だが、歩夢としては「小っちゃいころは競輪をたくさん見ていたわけでもなく、すごい人だとは知らなかったんです」。ほほ笑みながら、とにかく優しい父の笑顔を思い浮かべた。今、その父の背中を追いかけている。

タイミングは高校進学の時に来た。2011年3月の東日本大震災で被災した山崎一家は、沖縄に避難を続けてきた。歩夢の高校進学に合わせて家族でいわきに帰ることになっていた。被災した、あの3月11日――。実は奇跡的に助かったという。

「地震そのものの時は車で寝ていてよく覚えていないんですが…」

まだ小さな子どものころ。当日は父が遊びに連れて行ってくれる日だった。平穏な日のはずだった。芳仁は「息子に、水族館に行こう、と言って海の方に行く予定だったんです。そしたら」――。歩夢が「車の中で、水族館には行きたくない! って言ったのはちょっと覚えているんですよ」と駄々をこねたため、海の方ではなく山の方へとハンドルを向けた。

「後でニュースになっていて…。そのまま行っていたら巻き込まれていたと思います」(歩夢)

震災後、しばらくたってから芳仁は涙ぐみながら「息子が、助けてくれたんです」とこの話をした。そして自転車に乗り始めると「俺と違って手足が長くて今風の若者です」とうれしそうに語った。歩夢は成長し、期待に応えるように高校時代から成績を残すと、日本競輪選手養成所をへて、選手になった。

卒業記念レースは1走目の予選で落車してしまい「卒記に向けて練習していたので落車した時はショックはありました。でも自分のせいで落車したので、気持ちを切り替えてデビューへ」と準備を進めてきた。ルーキーシリーズでもその強さは明らか。楽しみしかない。

「父と一緒に走る? そうできるために早くS級に上がらないといけないですね。もちろん、僕が前ですから!(笑い)」

夢は、憧れ、大好きな父と同じレースを走ることだ。

Q&A
――ジュニア時代にはナショナルチームでも活動していたが今後は
歩夢 五輪も素晴らしいのですが、自分はGⅠを優勝したい、グランプリに出たい、という気持ちが強いので競輪一本でいきます
――父について
歩夢 高校3年生くらいで選手になる道が見えてきて、そこから父がすごい人だってどんどん分かってきたんです。競輪を知るほどに、すごい人なんだって…。
――本当にメチャクチャすごい人なんですよ!
歩夢 家にいる父だと想像もつかないんです(笑い)。

☆やまざき・あゆむ 2005年3月25日生まれ、福島県出身。176センチ、80キロ。父=芳仁(88期)、叔父=司(95期)。

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