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【桟原将司連載#19】「サジ、行くぞ」プロ初の奪三振はあのタイロン・ウッズからでした

東スポWEB / 2024年6月7日 11時2分

プロ初対戦したのはタイロン・ウッズ

【桟原将司 ハナの剛腕道中(19)】2004年4月28日の横浜戦(甲子園)で僕はプロ初登板を経験しました。先発投手は久保田智之さん(現阪神投手コーチ)でしたが、5回までに4失点で降板。6回の頭から僕が2番手で救援のマウンドに立つことになりました。

ブルペンの電話が鳴って、中西投手コーチから「サジ、行くぞ」と言われた時は心臓がドキドキしました。相手打者はスラッガーのタイロン・ウッズでした。

しっかり肩をつくり、リリーフカーに乗っている時もドキドキしながら内外野の芝生の境目あたりに到着。マウンド付近に駆け寄っていくと、佐藤投手コーチと捕手の矢野燿大さんら、野手陣が待っていてくれます。矢野さんとサインの打ち合わせをして、いざ投球です。いろんな選手がそれぞれにプロ初登板の独特な雰囲気を表現しますが、僕は緊張はしているけど、ある程度は落ち着いていたかなという感じです。

もう、そこからの記憶がないなんて言う人も多くいますが、僕は「もう、この場に来たんやからやるしかない」と腹をくくっていました。

僕からしたら、今までやってきたことと同じことをするだけ。今までと大きく違うのは球場全体がお客さんで埋まって5万人が見ているというだけです。

「そんな中で投げられるってすごくないですか?」と周りの方々から言ってもらいましたけど、僕からしたら別に観衆が何人でも同じ。マウンドではバッターと対戦するだけって考えていました。あと、スタンドからのヤジなんかも聞こえているんですけど「うるさいな! 分かっとるわ」くらいの感覚でした。それよりしょーもないピッチングをしたら矢野さんに怒られ、中西さんに怒られて二軍やんとか考える方が嫌でしたね。

さて、場面は0―4で阪神がビハインドのシチュエーションです。僕が登場しても「あれって誰…?」みたいな感じでスタンドはザワザワしていました。それはそうでしょうね。初めて見るルーキーだし、オープン戦でも活躍してないし。

タイロン・ウッズを覚えている人は多いでしょ? 来日1年目からホームラン王を取って2年目のシーズンですよ。そんな強打者・ウッズと僕の対戦が始まっても、まだ球場はザワザワしたままでしたね。

でも、僕が1球目、2球目と投げ、甲子園のスコアボードに「150㎞」と表示された時には球場中が「オオオォーッ」とどよめいて、ザァーッと鳥肌が立ったのを覚えています。

そのウッズからは150キロの直球で空振り三振を取りました。プロ初の奪三振はホームラン王のウッズでした。ただその後、多村仁志さんに左前打を打たれて、金城龍彦さんには四球。一死一、二塁のピンチを招きました。そこからは村田修一さんを一邪飛、相川亮二さんを左飛に抑えて1回無失点で切り抜けました。

キャンプも故障でまともに過ごせていないのに4月に一軍デビュー。そんな自分を想像してはいませんでした。さらにそこから1年目に44試合もの登板があるとは。実は僕のキャリアの中で年間登板数は1年目が最多なんです。いきなり人生のピークです(笑い)。

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