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【MLB】移籍10回の元選手もトリコ ピッツバーグの街とパイレーツ本拠地PNCパークの魅力

東スポWEB / 2024年6月10日 11時12分

メジャーリーガーに何気に人気のあるパイレーツ本拠地・PNCパーク

【元局アナ青池奈津子のメジャー通信】「みんながあまり知らない良い球場」「過小評価されている球場」「地味に好きな球場」――。

昨年、選手たちに「一番好きな球場」を聞いて回った時にトップ3には入らないけど、時折名前が出てきたのが、パイレーツのPNCパークだった。2001年にピッツバーグのダウンタウンの橋向かいにできたキャパ約3万8000人のメジャーでは小型の球場。

「フィールドからの景色が好き。見過ごしてしまうのはもったいない。橋がよく見え、スカイスクレイパー(摩天楼)が球場のすぐ後ろにあってクール」と言ったのはフィリーズのカイル・シュワバー外野手。ブルージェイズの菊池雄星投手も「黄色い感じで街も見えて、街がすごくきれいな感じ。ブリッジも黄色で」と何だかとても引かれたピッツバーグに、先日、念願かなって取材で行くことができた。そして、すっかり好きになってしまった。

ピッツバーグ国際空港から車で20分くらいの場所にダウンタウンがある。道中、緑が生い茂り、自然に囲まれているなと思ったら黄色い橋が出てきて、そこはすでにゴールデン・トライアングルと呼ばれるビル群が並ぶダウンタウン。まず、黄色い橋がかわいい。その先の小さな都会をうまく引き立てていて、慌てて窓を下げて写真を撮ろうとしたが、あっという間に川を渡り切ってしまった。

ピッツバーグは「アメリカの住みやすい街ランキング」でもよく名前が挙がる。以前は「鉄鋼の街」と知られていたが、産業の衰退とともに教育、医療、ITなどの街に転身。今はうっそうとした煙も立っておらず、コンパクトで歩きやすく、都心を抜けた北西のストリップ地区と呼ばれる小じゃれたカフェやショップが並ぶエリアでいくらでも時間をつぶせた。

ピッツバーグ名物「プリマンティ・ブラザーズ」のコールスローもフライドポテトもパンの間に挟んだボリューム満点のサンドイッチは、鉄鋼産業が盛んだった頃に奥さんたちが短時間で一気に食べられるように全部を挟んで旦那さんたちに持たせたのが始まりだったらしいが、一生忘れられない迫力だった。

アート好きなら同市出身のアンディ・ウォーホル美術館、野球好きならロベルト・クレメンテのミュージアム。歴史好きならウイスキー税反乱時代からある蒸留所を見て回るのも楽しいかもしれない。

そして何よりダウンタウンを抜けてもう1つ黄色い橋を渡ったところにあるPNCパーク。外野から川側の景色が抜けて見える造りになっていて、フィールドの後ろにはピッツバーグの人々が誇る黄色い橋と摩天楼の絶景が、空とともに変化しながら色鮮やかに飾られていた。

10年以上前の記憶がよみがえる。

元メジャーリーガーのジェイソン・グリーリ。彼は球界ではいわゆる「ジャーニーマン(渡り職人)」で、大リーグ歴17年で移籍が10回。元来の明るさに、恐らくチームを転々としたことで培った人懐こさで世間話もしやすい選手だったが、ある時、ピッツバーグに家を買ったと言った。

「何だかとてもしっくりくる良い街。やっと自分の居場所を見つけた感じなんだ」

確か、そんな言葉だったと思う。当時まだ現役バリバリだったが、野球選手になるまで縁もゆかりもなかった街に引退後も住み続ける予定なのだと話していて、彼をそこまでとりこにするのはどんな街なのだろうと気になったが、今なら少し分かる。

「ほら、言った通りでしょ!」。どこからか、ジェイソンの声が聞こえてきそうだ。

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