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【西武】常勝軍団低迷の背景に「寮とトレーニングセンター近代化」の弊害を指摘する声

東スポWEB / 2024年6月11日 5時7分

「公民館」から「市役所」に変貌した若獅子寮

かつての「常勝軍団」西武が歴史的低迷を強いられている。10日までに57試合を消化して18勝39敗で借金21。勝率3割1分6厘はセパ最悪の成績だ。その最大の要因は得点力不足、貧打だろう。ここまで落ち込んでしまったのはなぜなのか。さまざまな原因がある中で2018年限りで役目を終えた旧若獅子寮、その後に建てられた最新鋭の新若獅子寮と「ライオンズトレーニングセンター」も無関係ではないという。

チーム打率2割6厘は12球団最低で136得点も最少。トップを走るソフトバンクは2割6分1厘で241得点と圧倒的な力の差を見せつけられている。

しかも柳田が故障離脱しても栗原らが穴を埋め、中軸を含めた打線は揺るがず、隙のない戦いを続けている。一方の西武はクリーンアップそのものがないばかりか、個々の選手の役割も定まらない状態だ。2019年までの超強力打線から浅村(楽天)や秋山(広島)、森(オリックス)、山川(ソフトバンク)がFAで流出して以降、その穴を埋めるべき野手の育成が停滞している。

もちろん、スカウティングや育成方法など一つに絞ることは難しいが、チーム関係者の間でささやかれているものに「最新鋭の施設が若手野手の危機感を奪ってしまった」というものがある。

かつてライオンズファンに「公民館」とやゆされていた平屋造りの旧若獅子寮と室内練習場は、老朽化のため18年シーズン限りで歴史に終止符を打った。翌19年途中から総額180億円をかけて進められたメットライフドーム(当時)エリアの改修工事の一環で、〝市役所〟とも言うべき新若獅子寮と「ライオンズトレーニングセンター」が建設された。

しかし〝公民館時代〟を知る関係者やOBは「寮が平屋だった時代は、いやが応でも室内で打ち込んでいる音が寮生に筒抜けだった。西武ドームでナイターが終わると、試合で打てなかったレギュラークラスが室内に来て深夜11時、12時までマシンを打ち込んでいた」と明かし「気になった寮生がその姿を見て一軍でレギュラーを張ること、試合に出続けることの厳しさを知り若手野手は先輩を追い越すため負けずにバットを振り込んでいた。小関の姿を見て寮生だった栗山が練習の虫になり、その姿を秋山が受け継いでいった」と旧施設の伝統を証言した。

さらにはこうも付け加えた。

「寮が近代化したおかげで部屋は完全防音。建物の構造上、寮生の自室から室内の様子をうかがい知ることはできなくなり、よほど自覚がある若手以外、危機感を植えつけることができなくなった」

振り返れば室内練習場の新設が発表された当初、〝公民館〟でバットを振り込んでいた秋山が新施設への期待とともに危機意識も口にしていた。

「ハングリー精神も忘れてはいけない。より良い施設で勝てないということがあってはいけない。施設が良くなったからと言って、それに甘えちゃいけないと思う。もちろん(施設改修は)選手にとってプラスだが、より自覚が求められる」

あの時の〝予言〟が今、現実のものになっているのかもしれない。

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