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【桟原将司連載#20】プロ初勝利は先発・藪恵壹さんの流血降板から始まった

東スポWEB / 2024年6月11日 11時43分

先発マウンドに立った藪に思わぬアクシデントが…

【桟原将司 ハナの剛腕道中(20)】1年目の2004年はキャンプもまともに過ごせないスタートから、4月28日の横浜戦で一軍デビュー。そこからおよそ2か月後の6月24日、広島戦(甲子園)ではプロ初勝利を経験させてもらいました。

初回表の一死から2番手で救援登板して4回2/3を2失点という内容なんですが、これって明らかに先発投手にトラブルがあったんだろうと想像できますよね。

先発投手はベテランの藪恵壹さんでした。今でも覚えているんですが、僕はブルペンのテレビモニターで普通に試合を観戦していました。先発は藪さんやし、そんなに早く出番はないやろなあぐらいの感覚です。

そのモニターではCM中みたいになっていて、スコアボードのカウントも動いているから普通にしていたんですが、球場の様子がにわかに「ワーッ」となっているわけですよ。

慌てて「サンテレビに変えろ」ってなってテレビに映像が映った瞬間ですよ。藪さんが右手から血を流しているわけですよ。「おいおい何があったんや! サジ、とりあえず(肩を)つくれ」と中西投手コーチに言われて、慌てて投球練習を始めました。

もちろん、藪さんは緊急降板です。そして、僕はというとしっかりその回に点を取られてしまいましたね。ただ、初回裏に金本さんがホームランを打ってくれてすぐに3―1と逆転してくれました。

そして、僕が降板するとその裏に阪神打線が猛攻ですよ。赤星憲広さんの2点タイムリーと関本賢太郎さんの3ランで一挙5得点でスコアは8―2です。こんな形でプロ初勝利を挙げることになりました。

そして、その5日後の6月29日には巨人戦(甲子園)でプロ初セーブを挙げることになります。左腕の吉野誠さんが5点リードの展開で登板したんですが、巨人打線に捕まってしまいます。

高橋由伸さん、小久保裕紀さん、ロベルト・ペタジーニの3連打などで3点差とされ、吉野さんがランナーを残したまま降板。二死一、二塁の場面で5番手で僕が登板しました。バッターは二岡智宏さんでしたね。その「あと一人」を抑えて1/3を投げただけで僕にセーブがつきました。これがプロ初ということになります。

1年目ということもあって僕の登板機会は先発投手が崩れた後のロングリリーフや、大差で勝っているか負けているかの場面での登板が多かったのは事実です。ただ、与えられた持ち場で結果を残すと、少しずついい場面で投げさせてもらうようになりました。

特にアテネ五輪があって阪神からは安藤優也さんとジェフ・ウィリアムスという、勝ちパターンの二枚看板が日本とオーストラリアの代表で抜けてしまうことになりました。ということもあり僕の登板機会も増えていきます。

日々、チームメートと過ごすうちに僕もブルペンの一員になっていくわけで仲間への情というものも湧いてきます。そんな中でプロ2セーブ目は引退後も仲良くしてもらっている左投手のプロ初勝利に関わらせてもらうことになります。

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