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現役最年長プロ・灘麻太郎87歳 3~4日ぶっ通し「執念深かったムツゴロウ」【後編】

東スポWEB / 2024年6月16日 10時16分

その瞬間が喜びであることは年を経た今でも変わらない。ただ、85歳の時、盲腸がんを患った。

「あまりの痛みで10日以上、飯も食えなかった。あちこちの病院に行ってようやく盲腸がんだと分かったので、麻雀仲間だった医師に手術してもらった。酒はもともと1滴も飲まないけど、完治してからは飲み屋にもよく行くし、就寝前の腕立て伏せ50回も継続しているよ」

現在はステージゼロで転移もない。米寿を目前にしてもまだまだパワフルで、昨年、新曲をリリースするなど、歌手としての活動も続けている。では、現在の麻雀ブームについてはどう感じているのだろう。2024年現在、麻雀プロの総数は3000人を超えたが…。

「とにかく初歩から勉強せいと言いたいね。初歩というのは今日に至るまでの麻雀の歴史のこと。諸説あるけど、16世紀に葉子戯(イエツーシー)と呼ばれた木の葉っぱで遊び始めたことが起源というのが有力。そこから進化して宮廷のゲームとなり、19世紀に宮廷が攻められ、約3000人いたとされる給仕たちがそれぞれの故郷に落ちのび、そこでやっていた麻雀を見た米国人や英国人が自国に持ち帰ったことで世界中に広まったんだ」

技術うんぬんの前に、歴史を知ることが大事だと力説する姿はまさにレジェンド。最後に灘麻太郎にとって麻雀とは?

「人生そのもの。人生とは生きる喜び。生きる喜びを与えてくれるのが麻雀なんだよね」

【直木賞創設のきっかけは麻雀!?】

日本で麻雀が普及していった歴史の中では、文藝春秋の創始者でもある菊池寛の功績が大きいと敬意を表する。

「直木賞だって、作家の直木三十五が結核で亡くなった時、直木が愛した麻雀で追悼しようと、菊池寛が大会を開催したことがきっかけだったからね。でも1934年は戦時中だったから、他国のゲームに興じるとは何事かと、菊池寛をはじめ参加した作家たちは全員刑務所に引っ張られた。それで出所後、菊池寛が追悼の思いを込めて直木賞を創設したんだ。直木が麻雀好きじゃなかったら直木賞は生まれなかっただろうね」

☆なだ・あさたろう 1937年3月17日、北海道札幌市生まれ。日本プロ麻雀連盟名誉会長。麻雀プロ、エッセイスト、漫画原作者、歌手。主な獲得タイトルは第1期最高位(順位率部門)、第1期プロ名人位、第10・11・12・13期王位、第6期グランプリMAX他。著書に「麻雀次の一手 カミソリ麻雀入門」「小説 昭和マージャン伝 闘牌の絆」など。最新シングル「彼女(あいつ)と大阪/北国行き」が絶賛発売中。

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