全日本プロレスの風景を変えた!三沢光晴VS川田利明 初の3冠戦大死闘
東スポWEB / 2024年6月16日 10時17分
【昭和~平成スター列伝】ノアの創設者・故三沢光晴さん(享年46)が2009年6月13日に試合中の事故で亡くなってから、今年で15年を迎えた。数々の激闘を残してきた三沢だが、四天王プロレスとして全日本プロレスに新たな時代の到来をもたらしたのは、川田利明との初の3冠戦だったのではないだろうか。
三沢は1992年8月22日にスタン・ハンセンから3冠を初奪取。10月21日日本武道館では、超世代軍の同門、川田利明と初防衛戦で激突した。7月にはジャンボ鶴田が内臓疾患で長期欠場に入っており、超世代軍同士の3冠戦にファンは狂喜した。
全日本プロレスの和田京平名誉レフェリーは当時をこう振り返る。「天龍さんが抜けた後、三沢に武道館のメインを任せるということになった。『無理だ』『10年早い』という声もあったけど、三沢はそれをやり遂げて時代を変えちゃったんだよね。時代もそれを求めていたと思う。特に川田との初の3冠戦で全日本の風景は大きく変わった。ファンの思い入れもとんでもなかった。時代の交代というプロレスでは現在も続く流れは、三沢たちがつくったんじゃないかな」
本紙は1面で歴史的な一戦を報じている。
『超満員1万6300人の大観衆が酔いしれる大死闘だった。ゴングと同時に川田がバックドロップを放ち、ワキ固め、逆十字、ソバット、後頭部へのラリアート。川田の蹴りはアゴ、ヒザ、顔面に情け容赦なくヒット。13分過ぎ、スピンキックを顔面に受けた三沢は失神寸前。意識が飛んで「切れた」(三沢)状態となった。しかし体が戦いを覚えていた。ピンポイントにエルボーが決まり始め、首、後頭部、側頭部に何と24連発。ラリアートからの原爆固め、タイガードライバー、延髄エルボー、タイガードライバー、猛虎原爆の猛攻だ。最後は29分52秒、顔面締めからの猛虎原爆固め。ゴングが鳴らされ三沢は初防衛に成功した』(抜粋)
和田氏は「高校の先輩後輩という関係だから川田が意地で壮絶に仕掛けた。三沢は川田、小橋、田上、秋山、外国人とすべて相手に合わせた戦いで臨んでいた。やっぱり天才だったよ」と語る。
翌年に川田は超世代軍を離脱。三沢との戦いは激しさを増し、四天王プロレスは一気に過激さを増していった。全日本の黄金期だった90年代の礎となった三沢と川田の初の3冠戦は永遠にファンの胸に刻まれる。
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