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【巨人】笑顔弾けたキャンプから一転… 阿部監督〝能面采配〟の真相

東スポWEB / 2024年6月17日 5時6分

ほぼ無表情で戦況を見守る巨人・阿部監督

巨人は16日の日本ハム戦(エスコン)で延長12回の末、3―3で引き分けた。阿部慎之助監督(45)にとって指揮官就任後初の交流戦は8勝9敗1分けの7位でフィニッシュ。それでもセ・リーグでは31勝30敗5分けの2位タイにつけており、1年目にしては上々の成績だろう。春季キャンプでは「笑うアベには福来たる」とのキャッチフレーズを掲げたが、開幕後のベンチでほぼ無表情。その〝能面采配〟の裏には何が隠されているのか、真相に迫った。

3時間53分の熱戦は決着こそつかなかったが、岡本和に2戦連発となる12号2ランが飛び出し、1点を追う8回にはヘルナンデスの3号ソロで追いついてドロー。交流戦は3カード連続の勝ち越しに始まり、まさかの6連敗もありながら最後は2勝1分けで終え、阿部監督は「収穫もたくさんあったし、反省するところもたくさんあったし。けど今日の、負けなかったというのは交流戦明けに必ずつながると思うので」と前向きに総括した。

シーズン開幕直前には新助っ人のオドーアが電撃退団、5月上旬には守護神の大勢が故障離脱した。多くの誤算とアクシデントに見舞われながらも、シーズンの半分近くの66試合を消化してAクラスを死守しているのは上出来と言える。

ただ、笑顔を前面に押し出していたキャンプの頃とはすっかり別人のようだ。チーム内でも話題となっているのが阿部監督の無表情ぶり。試合中のベンチでは選手たちが犠打を失敗したり、好機で三振に倒れても眉間にシワを寄せることはない。また、味方に本塁打が飛び出そうが得点を挙げようが静かに拍手を送るばかりでやはり表情は変わらない。現役時代、お立ち台での「サイコーです!」を筆頭に喜怒哀楽を見せてきた姿からは想像もできない変化だ。

阿部監督がベンチで貫く鉄仮面ぶりにはどんな思いが隠されているのか。球団スタッフは「すべては選手のためです」とした上で「ベンチで意識的に無表情なのは、相手ベンチへのけん制もありますが、一番の理由は自分の感情が表に出ることで、選手に余計な気を使わせないためです」と明かした。

思い通りにならない歯がゆさは当然あるだろうが、ナインがミスするたびに指揮官が激高していては選手は萎縮してしまう。どちらの感情も露骨に周囲に見せないのは、さらに深い配慮があるそうだ。

「ベンチでは次の回の継投を考えたり、コーチと相談したり、やることが山ほどある。ある選手の時に喜んでしまうと、その後のすべてのプレーに喜ばなければならない。そうでないと選手が『自分の時には喜ばないんだ』となって士気が下がってしまう」(同)

また、青年監督の気遣いは別のところにもある。試合前の練習で、あえて打撃ケージから遠く離れた外野から見守ることをルーティンの一つとしている。

前出スタッフは「コーチを信頼していることはもちろんですが、一番は選手に練習に集中してもらうため。監督が近くで見ていると余計な力が入って打撃に悪影響が出ることもある」という。

感情を押し殺すことは相当なストレスになりそうだが、阿部監督は二軍監督時代から「アンガーマネジメント」を実践。試合中のベンチでメモにペンを走らせることで怒りを静めてきた。別のチーム関係者によると「毎朝のランニングがいいストレス解消になっている。誰にも邪魔されず考えをまとめることができる」そうだ。

すべての根底に流れる「選手ファースト」の精神。4年ぶりのV奪回を果たす瞬間まで、阿部監督が「能面」を外すことはなさそうだ。

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