映画「新・三茶のポルターガイスト」豊島圭介監督 東出昌大がナレーションを担当する理由
東スポWEB / 2024年6月20日 11時36分
心霊ドキュメンタリー映画の続編「新・三茶のポルターガイスト」(21日公開)で、とんでもないものが撮れてしまった。ドキュメンタリー映画「三島由紀夫VS東大全共闘~50年目の真実~」を手掛けた東大卒の豊島圭介監督(52)が、今作に登場する心霊現象で有名な芸能事務所「ヨコザワ・プロダクション」(東京・世田谷区)を徹底取材した体験を明かした。
“日本一のオカルト物件”ヨコザワプロでは、天井や床から白い手が現れたり、ホワイトボードや壁掛け時計が激しく揺れるなど、怪現象が発生するという。映画のチラシには「この映画の心霊映像にはCG、編集など一切手を加えておりません」との断り書きが記されている。
オカルト編集者・角由紀子氏が潜入し、物理学者・超心理学者を交えて、定点カメラ、サーモグラフィーなどを駆使し検証したものだ。
豊島監督は「劇中の真ん中に出てくる、床から出てくる白い手の時は、その場にいました。3メートルぐらいの距離から見て、手が引っ込んだ後に床を確認したところ、仕掛けらしきものがなかった。それが僕の“グラウンド・ゼロ”なんです。あれが超常的なものとの初めての出会いでした。神々しいものと出会ってしまった感じです。あまりにも不可思議で、出方がダイナミックだったことに魅了されて、ヨコザワプロの現象にかかわりたいと思って、今作の監督になったんです」と明かした。
劇中には、さまざまな怪現象がとらえられている。その結果、豊島監督は「ひょっとしたら、科学者が指摘したように、イリュージョン的なものである可能性はなきにしもあらずです。でも、現場でその現象を体感してしまった。中立であろうとしたが、どうしても超常現象としか言えないものを見てしまったので、中立と言い切れない立場になってしまった」と言う。
ラストでは、ヨコザワプロに設置した定点カメラに非常に奇妙な映像が収められていた。
その衝撃映像について、豊島監督は「定点カメラがとらえたものであり、僕がその場で見ていないということで、エビデンスはありません。一方、あれを人為的にできるのだろうか? プロの視点から言えば、光の処理とか、CGであの映像を作るのは極めて難しい。創作物だとして造形がおかしいし、あれをゼロからクリエートするのは天才級です。中に人間が入って演じるにしても、関節の動きがおかしいし、人をつる場所がないので物理的に難しい」と分析した。
その上で「僕には、人間のモノマネをしようとして、人間になりきれなかった何かに見えるんです。ドキュメンタリーの手法としては『この現象についてこちらでは何も解釈しないから、見た人が判断してください』という預け方をしたんです」と述べた。
いくつかは科学者によって反論されるものもあった。しかし、監督らはCGなども含め、一切の手を加えておらず、起きた現象を撮影していただけだ。
「科学者が声を荒らげる場面もありました。一方、ヨコザワプロの横澤丈二代表取締役は『こんな検証されるんだったら、霊にもっとすごい現象を起こしてもらわないと』とおっしゃる。霊現象を挟んだ人間模様みたいなものが撮れているところも、まさにドキュメンタリーとなっています」と豊島監督は力を込めた。
前述の「三島由紀夫VS東大全共闘~50年目の真実~」でナレーションを務めた東出昌大が今作でも担当する。豊島監督は「東出さんを起用することで、肯定派と否定派の話をインタビューで聞きつつ、テーマに迫るというドキュメンタリーの形式をトレースできると思い、お願いしました。波瀾万丈な人生を送っている人の声は含蓄があるなと思いました。人生を感じる声になっています」と話している。
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