西武電撃退団の呉念庭が母国・台湾ドラフトへ 退団会見では涙流し話題
東スポWEB / 2024年6月21日 6時27分
前西武の呉念庭内野手(31=台湾社会人チーム・全越運動棒球隊)が28日に台湾プロ野球(CPBL)のドラフト会議を迎える。
昨オフ、12月1日に突然発表された西武退団。会見冒頭からあふれる涙を抑え切れず呉は「本当に8年間お世話になりました。(高校入学の)15年前に台湾から来て、日本でプロ野球選手になることが夢でした。ライオンズに指名してもらって本当に厳しいプロの世界で8年間プレーできた。少年時代の私にこの話をしたら信じてもらえないぐらいのたくさんの夢をかなえさせてもらいました」と西武への感謝の言葉を重ねた。
何度も「寂しい」「ライオンズでプレーを続けたい気持ちももちろんあります」と西武への恩義を語っていた呉は内外野のユーティリティーとして2021年シーズン、130試合に出場。初めて規定打席に到達し、チーム3位の48打点をマークした。
しかし22年の94試合から昨季41試合にまで減った出場機会に世代交代の波、自らの居場所を確保する難しさを痛感させられた。呉は「いつか〝母国〟で恩返しがしたい。それにはいいパフォーマンスができる時が一番だと思いこのタイミングになった」と断腸の思いで西武退団を決断、自ら身を引いた。
一方でこのタイミングが第二次戦力外通告の終了後だっただけに編成責任者の渡辺GMも「もっと早く言ってくれよ」と笑いながら「念庭とは一昨年あたりもいろいろな話をしながら将来の考えも聞いていたので、それほど驚かなかった。今年か、という感じです」とこの決断を尊重した。
それから20日後、同GMは呉に代わる内野のユーティリティーとしてヤクルトとの間で宮川哲投手(28)と元山飛優内野手(25)の交換トレードを成立させた。
呉は南郷キャンプ中に仲のいい蛭間を通じて自らの〝後任〟の元山を気遣い、テレビ電話で打撃のアドバイスを送るなど、日本を離れても古巣・西武の後輩たちを気にかけていた。
もちろん自らが退団した翌年にチームが松井監督の休養と渡辺GMの監督代行就任、交流戦終了時点で借金25という窮状にあえぐことになるなど想像すらしていなかっただろう。激震に揺れ動く古巣を横目にしながら呉は生まれ故郷の台湾で第2のプロ野球人生をスタートさせるため、1週間後に迫ったドラフト会議を待っている。
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