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【西武】後藤オーナーの〝再建宣言〟に熱量感じられず 株主総会は紛糾「キャンプが短いのでは」質問も

東スポWEB / 2024年6月22日 6時11分

そもそも前述の地域密着は12球団の全てが掲げていることであり、チーム強化策とは無関係の話だ。08年の日本一達成も前年までの首脳陣、選手間で滞っていた風通しを一軍に昇格した渡辺監督が整備し、片岡、栗山、中島、中村らチームの中核を担う野手が順調に育っていた背景がかみ合ったからである。

今のライオンズの問題点は浅村(楽天)、秋山(MLB→現広島)、森(オリックス)、山川(ソフトバンク)と次々にFAで他球団へ流出を許した主軸打者たちの穴を埋める若い戦力が伸び悩み、次世代のクリーンアップがいないこと。さらに言えば、それに代わる助っ人野手にほぼ〝当たり〟がないことだ。全ての打線の問題は、この中軸が決まらないことに起因している。

2000年代以降のパの戦いは、言い換えれば「いかにソフトバンクに勝つか」がライバル5球団の命題。巨人のV9を超えるV10を本気で目指しているソフトバンクの孫正義オーナーは、そのための補強、育成、施設拡充の投資を惜しまない。このトップの情熱、熱量に今の西武がどう立ち向かっていけるのか。

ビジネス界には「トップの力量以上に組織は成長しない」という格言がある。それを踏まえながら球団OBの1人は「以前の堤義明オーナーは本気で優勝を目指したオーナーだった。いや優勝以外は許されなかった。2位以下は最下位も同じ。そして信賞必罰も徹底していたから、現場は常に緊張感が張り詰めていた」と述懐する。

堤氏は好材料しか挙げてこない球団フロントからの報告をうのみにすることはなく、常に現場の生の声や本音を探るべく自らの〝草の根〟をチーム内に配置。実際の監督の評判や采配をチェックし、時には担当記者と食事会を開き「次の監督を〇〇にしようと思うんだけど、どう思いますか?」と現場記者に生の意見を求めたこともあった。

そこには巨大な西武グループの総帥である顔とは別の球団運営に賭けるすさまじい勝利への情熱があふれていた。

堤氏は2004年の有価証券報告書虚偽記載の責任を取ってトップの座から降り、現在の西武HD体制へと移行したが、勝てるチームを作るというのはトップが本気で現場にその熱量を見せることだ。野球が〝カネのかかる興行〟である以上、打倒ソフトバンクを果たすにはそれに匹敵する資金を捻出するか、相手の戦略を上回る知恵を絞るしかない。いつまでも号令ばかりの再建宣言では、その差は今以上に開いてしまいかねないだろう。

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