大谷翔平を救ったバットボーイはなぜ報道対応に気乗り薄だったのか 米紙「実直な人柄」詳報

大谷翔平を救ったバットボーイの素顔は…（ロイター＝USA　TODAY　Sports)

自らの仕事に誇りと責任感をにじませた。日米で大きな話題となっているドジャース・大谷翔平投手（２９）への打球直撃を防いだバットボーイのハビエル・ヘレーラさんが２８日（日本時間２９日）にメディア対応。その様子を地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」が詳報した。

２６日（同２７日）のホワイトソックス戦で大谷を襲った強烈なファウルボール。ベンチ内で次の打席に向けた準備を進めていたスーパースターを目がけるように飛んできた。選手やスタッフらが防御反応に入る中、投手のリリースの瞬間から目を切らさずに打球を追っていたヘレーラさんは抜群の反応でキャッチ。素手でガッチリ掴むと、すぐにボールをリリースして次の投球に備えた。文字通り直撃コースにいた大谷は肝を冷やしたような様子で身をひるがえした後、ヘレーラさんの方に向き直り、仕事に集中するヘレーラさんの背中越しに「ありがとう」と謝意を伝えたという。

決定的瞬間をとらえた動画が瞬く間に広がり、一躍「時の人」となったヘレーラさん。この日の報道対応では実直な人柄がにじんだ。同紙によると、メジャー史上最高年俸７億ドル（約１１２６億円）、野球界最高のオールラウンドプレーヤーを救った気分を聞かれたヘレーラさんは「分かりません」と気乗りしない表情を浮かべ「ただ、自分の仕事をしただけです」と即答したという。

巷では大谷から〝お礼〟として高級車「ポルシェ」が贈られるのでは――という噂も話題となっている。だが、ヘレーラさんはこれについても「いいえ、それは単なる噂です」と意に介さなかったという。

大谷は自身のインスタグラムを２８日（同２９日）に更新。メディア対応するヘレーラさんの様子を捉えた動画をアップし「ＭＹ ＨＥＲＯ！！」と熱いメッセージを書き込んだ。間一髪で危機を救った際に大谷から感謝を伝えられ「君の味方だよ」と返したというヘレーラさん。地元紙によって、球団在籍１８年目を迎えるバットボーイのプロフェッショナルの流儀が詳細に伝えられた。手柄を主張しない――。大谷のハートをがっちりつかむだけの理由があるようだ。